いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「わたしの知らない、先輩の100コのこと1」兎谷あおい(MF文庫J)

“最寄り駅が同じ”以外接点がなく、毎朝顔を合わせるだけだった先輩と後輩。そんな二人がある日、約束を交わしました。その内容は『1日1問だけ、どんな質問にも絶対正直に答える』というもの。
「わたしはせんぱいのことが知りたいですし、せんぱいも知らないことを知るのが好き。だからお互い、1日1問ずつ──100コの質問をできることにしましょう」
これは、1日1問ずつお互いの距離を縮めていく、二人のお話――早く付き合っちゃえよ!と思わず言いたくなる、Web発のイチャイチャ青春ラブコメ、待望の書籍化でお届けしちゃいます!


通学の電車で出会った先輩と後輩が「100個の質問に1日1問正直に答えること」を基に仲良くお話する話。
小悪魔な後輩ちゃんが絵に描いたようなDT少年の先輩を振り回すのを楽しむタイプのラブコメ。と思いきや、中身は案外初心な後輩ちゃんが頻繁に自爆するので、むしろそっちを楽しむのがメイン。
これ、休日とLINE以外は通学中の電車内で行われているのよね? 
……ただのバカップルじゃねーか!
普通の会話だったのは序盤だけで、早々に二人の世界に入り込んでいた。後半は段々慣れてくる先輩と、行動が大胆になっていく後輩ちゃんの相乗効果で、バカップル以外の形容が見つからない。朝の混んでる電車内で、くすぐりっことか周りに迷惑でしょうが(いいぞもっとやれ!)。周りに生温かい目で見られているか、もしくは睨まれてそう。
違和感を覚えるところもなくはないが(特に開始当初の好感度の高さと、主人公の好感度を少々上げる代償に、ヒロインにマイナスイメージを付け読者を不安にさせた第20日のエピソードの存在意義が謎)、非常にニヤニヤ度が高い良いラブコメだった。
質問が1/4程度しか消化されていないので、続きがありそう。質問を終えた時の二人の関係も気になる。