いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム」アサウラ(LINE文庫エッジ)

日々をなんとなく過ごす青年・貞夫と、その友人シノ。二人が偶然立ち入ってしまったお店……それはエアガンショップだった。
姉妹の店員、舞白菜花と璃良に心惹かれるも、それ以上に店内に所狭しと並ぶ銃器の数々が、二人の童心を強く強く刺激する。その後、彼は知ることとなる――旅の計画を立て、フィールドを子供のように走り周り、空腹というスパイスが効いたカレーを食べる。そんな時間全てが宝物となるのが“サバイバルゲーム"だと! 趣味を楽しむ全てが詰まった、本格サバイバルゲーム小説爆誕――!!


サバイバルゲーム入門ライトノベル
初心者が必要な装備から費用の話、ルールとマナーと心構え、経験者ならではの失敗談や教訓まで懇切丁寧に説明してくれる、サバゲに興味のある初心者が安心して始められる、経験者はあるあるネタで楽しめる(たぶん)一冊。充電バッテリーの説明や衣服の話などサバゲに興味がなくても、楽しめる豆知識もちらほら。
ちなみに、今サバゲを始めると天然巨乳なショップ店員さんや、下ネタどんとこいの残念系美少女なショップ店員さんがもれなく付いてくるとか・・・・・・ありませんか、そうですか。

なるほど、説明好きなアサウラ先生の個性をこう使うか。その説明パートで上手いことガス抜きされているのか、著者特有の文字数もネタも密度の濃い地の文は大分控えめで、かなり読みやすくなっている。その分、古参ファンには物足りなく感じる面もあるのだが。アサウラ先生にしては紙面の白が目立つし、SE〇A成分がまるでない。
でも、そう感じるのはサバゲ本番が始まるまで。
本番が始まると目まぐるしく変わる状況に合わせて、主人公・サバ男の内心ががっつり書き込まれる。
初めてのフィールドでの緊張に始まり、何をしたらいいのか分からない戸惑い、役に立っていない焦燥感、初ヒットを奪った時の高揚感まで、最初から最後まで臨場感たっぷりで、自分もフィールドに居るかのよう。昼休憩に挟まるカレーの描写は流石としか言いようがない。
自分の銃のカスタマイズやお手入れ方法など、まだまだやることはいっぱいありそうだから、続き出ますよね?
今回は初心者のサバ夫に余裕がなく、時々DT力を発揮するくらいしか絡みがなかったが、女性陣が濃いキャラクターばかりなので、サバゲの沼にはまっていくサバ夫の様子と共に、ラブコメも気になるところ。