いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「妹さえいればいい。13」平坂読(ガガガ文庫)

冬が終わり、季節は春。主人公達はそれぞれ、新しい一歩を踏み出していた。新シリーズを発表した不破春斗。出版社ブランチヒルに入社し、ついにプロの編集者となった白川京。大学のTRPGサークルでオタサーの姫と化した羽島千尋。そして10万文字のラブレターによって何かを掴んだ伊月は、今度こそ本物の主人公になるべく精力的に小説を書き続けていた。ゲームして旅行して酒を飲み、仕事して、恋をする。同じようで変わりゆく、新しい日常が幕を開けた。大人気青春ラブコメ群像劇、いよいよ最終章――前編!!


完結編前編。京の編集者デビュー。
ほろ苦デビュー、くらいの感じかな。不幸属性の彼女のことだから、ぼろクソに凹まされることも覚悟して読んだので、よくある普通の失敗程度で済んでホッとしている。どんなことでも正直に受け止めて考えすぎてしまう真面目な性格なので、ハラハラはしっぱなしだったけれど。
そんな悩み落ち込む京を救ったのが伊月。
長所を聞かれて答えた言葉も原稿を通したエールも、彼らしく捻くれているけれど、これまでの経験が生きた心に響くものだった。読者もそれを一緒に分かち合ってきているから余計に響くのかも。伊月格好良すぎだろう。やっぱり君が主人公だ。
と、大人たちが青春している間に、コメディで猛威を振るっていたのが千尋
千尋のぶっ壊れっぷりがヤバい。特に「アホ」がヤバい。ボキャブラリーが死滅するくらいヤバい。あの残念なメンバーの中で唯一の良心だったのに、どうしてこんなことに……。
後編は3年後。
彼らがどういう成長をして、どんな関係になっているか楽しみ・・・のような、あの残念メンバーだからちょっと怖いようなw 3歳になった天使栞は純粋に期待。