いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔弾の王と凍漣の雪姫4」川口士(ダッシュエックス文庫)

エリオット王子を利用してアスヴァールの内乱に介入すべく派遣されたティグル、ミラ、ソフィーたちジスタート軍は、暴虐の限りを尽くしていた魔物・トルバランを討ち取り、港町デュリスの解放に成功した。
が、王子の急死という予期せぬ事態の発生により、急遽、ギネヴィア王女を総指揮官とするアスヴァールおよびブリューヌとの連合軍を結成して、ジャーメイン王子と対峙することに。
ジャーメイン王子の勢力圏へ橋頭堡を築くためにマリアヨの港を落とさんとする連合軍だったが、待ち構える敵の船はこちらの倍以上。圧倒的劣勢の中、アスヴァールの覇権を懸けた海戦が始まろうとしていた。


アスヴェール内乱編、決着。
このエピソードは前巻からのはずなのに、3,4巻やっていたような気がする。それだけ中身が濃かったってことか。
今回は、野良の竜が一頭出てくるが対魔物戦は無し。ジャーメイン王子とギネヴィア王女の王座をかけた争い、正真正銘人対人の戦争。
とは言っても、ファンタジー戦記の「戦記」が濃かった前シリーズと違い、本作は戦姫やロラン、ティグルの人を超えた力を使って、戦局を打開していく「ファンタジー」の色が濃い戦争描写だった。中でもロランとティグルによる別働隊での敵本拠地突入作戦、別の世界線では実現出来なかったブリューヌの英雄の共闘が熱い。
戦術メインで戦争を描くとどうしても地味になるので、キャラクターの活躍をメインにするのはラノベとしては正解か。個人的には前者の方が好きだが。
ブコメパートは絶好調。二人でいる時は開き直ってイチャイチャしていてニヤニヤ、ミラが一人の時はあちこちから弄られてニヤニヤ。それに口絵が凄いことになったる。最後の一枚、入れる寸前にしか見えないんですがw
次は、魔弾の王の伝説を探りにミラとザクスタンへ。
二人旅なら国や立場を考えずにイチャコラ出来るが、さすがに立場上無理?


本編に加えて、他作者によるスピンオフと漫画版の監修。川口先生に仕事させ過ぎだろう。本編に影響が出てる。
全く同じ文が二行分丸々ダブっていたり、極々近い文の前後で内容が矛盾していたり、単純なチャックミスが多い。多少の誤字脱字は気にならないけど、これはちょっと(^^;