いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「幼なじみが絶対に負けないラブコメ2」二丸修一(電撃文庫)

幼なじみの黒羽に告白し、見事玉砕した俺。死にたい。フラれるってこんなに辛かったのか……っていうか、あそこまでいったら普通OKするだろ! 笑顔で「ヤダ!」ってなんだよ! マジで女子の気持ちわかんねー。でもまてよ、白草は俺のことが好きなんだよな……今ならイケる……?のか……いやいやいや、ダメでしょ。もしまたフラれたらと思うと怖すぎるし。
そんなモヤモヤ爆発の俺のもとに、子役時代の後輩にして理想の妹、桃坂真理愛が襲来! 玄関開けたら1秒で「おかえりなさいお兄ちゃん!!」っていったいどこのラブコメだよ!?
末晴に芸能界復帰の話が持ち上がり、ヒロインたちの思惑が交差する、先の読めないヒロインレース第2弾!


一癖も二癖もある高校生たちによる、頭を使い過ぎて空回る残念な恋の駆け引きが繰り広げられるラブコメ
好き合っているはずの三人が何故か振られた状態で終わった1巻の続きをどうするのかと思ったら、盛大に引き摺っていた。そりゃそうだ。末晴と黒羽の壊れっぷりは笑うしかない。
と、それでなくても人間関係がぐちゃぐちゃになっているところに、末晴の後輩女優の乱入と芸能界復帰騒動が起きてドタバタに。
ちょっとドタバタにし過ぎたような。色々な要素が入り過ぎて焦点がどこにあるのかよくわからなかった。
チャンスが巡ってきた白草の動きと、黒羽の策(策を弄し過ぎて失敗するところまで含めて)、末晴の勘違いの三つ巴を純粋に楽しみたかった。それに、作中では黒羽が一番勝った事になっているが、これも疑問。傍から見ると黒羽が一人、最悪手で更なる墓穴を掘っていたようにしか思えない。案の定なエピローグだったし。まあ、存在感があっただけマシかも。白草の存在感が極めて薄くて悲しくなったので。
今回は親友・哲彦の目的が明らかになる群青同盟結成の回だったってことで。人間関係を明確にして、それぞれの目的と倒すべき敵がはっきりしたので、次から各々の思惑が絡み合う様子が見やすくなって楽しそう。
この巻単体では1巻の面白さから2枚3枚落ちたが、状況が整理されたので次からに期待。