いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「倒れるときは前のめり ふたたび」有川ひろ(角川書店)

有川浩」改め「有川ひろ」のエッセイ集“ふたたび”!
ペンネーム変更にもつながった日々の出会いへの感謝、
書き継いだ「コロポックル」ほか、愛する本たちへの想い、
ネット時代の言葉について、
神戸の「ツリー」に思うこと、etc.
県庁おもてなし課』のサイドストーリーとなる中編「サマーフェスタ」と、『倒れるときは前のめり』に収録の「彼の本棚」と対となる、本をめぐる恋を描いた書き下ろし掌編「彼女の本棚」も特別収録。


有川ひろ先生のエッセイ集第2弾。
「身近なこと」「本のこと」「ネットリテラシー」大きく分けるとこの三つ。
自分の正義感を貫く人なんだな、と。
ネットの章で強く感じる、押し付けにならないように細心の注意を払う労力を考えると、そこまで言わなければいいのにと思わずにはいられないが、気になったら言わずにはいられない性格なんだろうなあ。
最も興味深く読んだのは巻末解説。文庫化の時によくあるあれ。
未読だと内容が分からないのに巻末解説だけ載せるとはこれ如何に?と、その意図を訝しみながら読んだのだけど、解説から内容を想像する行為が意外と面白い。そして気になっていく。『武士道シリーズ』は読んでみたい。



~以下小説感想~
「彼女の本棚」(「彼の本棚」彼女視点編)
前巻の「彼の本棚」はほんのり甘くてニヤニヤできる話だったものが、対になったことでしっかりした身を持った甘さに。これだから有川作品が好きだ。


「サマーフェスタ」(『県庁おもてなし課』サイドストーリー)
と思ったら、現実的なオチにガツンとやられてるという。まあ、上手くいってたらおもてなし課の内容変わっちゃうけどさ。幸せな気持ちで読み終えたい人は、小説二編の読む順番を前後逆にすることをお勧めする。
それはそうと、印象に残るのは彼女のお姉さんの言葉。
「出たら帰らない」じゃなくて「出たら帰れない」という発想はなかった。Uターン就職ってそもそも希望者が少ないものなんだと思ってた。同じ地方でも新幹線一本で簡単に帰れるくらいの地方と、複数回の乗り換え必須だったり飛行機じゃないと無理な地方では感覚が違うのかも。まあ、アラフォー世代は都市、地方に関係なく就職先なんてなかったですがね、ハハッ