いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #08」枯野瑛(角川スニーカー文庫)

パニバルたちが〈十一番目の獣〉を討ち、38番島は歓喜の騒乱にあった。しかし水面下に隠されていた最後の危機を前に、護翼軍、貴翼帝国、そしてオデットが相対する。そこで示された滅びを避けられる手順は、浮遊大陸群を自分たちの手で破壊するというもので――
俺達はどうやら揃って、そういう無私の聖人ってやつが心底気にいらない性分らしい」
あの二人の代わりにはなれないが。幽遠から目覚めた青年は夢想する。継がれた結末の、その先を。


浮遊大陸群滅亡までのカウントダウンがスタートする最終章、開幕。
妖精兵たちに訪れた束の間の穏やかな日々の中で綴られる、浮遊大陸群が置かれている現状の説明に、前巻の勝利で得たものと得られなかったものの確認。そして多くの意志や想いのバトンタッチが行われる、ストーリー上大事な繋ぎの回。
〈十一番目の獣〉から十七番目の〈最後の獣〉への脅威の対象が移り、堕鬼種姉弟の意思が護翼軍へ引き継がれ、あの娘の想いを継ぐものの登場と、次の巻から別タイトルになっていてもおかしくないくらいの交代劇が繰り広げられていた。まあ、ティアットとフェオドールの物語が終わっていないので、タイトルはそのままだろうけど。
そんな中で、『すかすか』の元祖損な役回りのネフレンから、『すかもか』の損な役回りアイセアにその役目が正式に受け継がれたような気がする、後半の2つのシーンが印象的。アイセアに対して、その言葉をよりによってヴィレム(仮)が言うのか。優しくて、とても残酷だ。
一方のネフレンはここに来てご褒美タイム。表紙と300頁挿絵の姿と、今までの苦労を思うと涙が。
って、あれ? 時間飛ぶの? ご褒美タイム短っ!(眼帯ペアルックでの登場は作者からのお詫び?w)
少しだけ時間が流れた浮遊大陸群はどうなったのか、〈最後の獣〉はどうなったのか、リィエルに宿ったそれは希望なのか絶望なのか、次巻が待ち遠しい。