いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「百錬の覇王と聖約の戦乙女19」鷹山誠一(HJ文庫)

ユグドラシル全土を襲った巨大地震は、戦局にも大きな影響を及ぼしていた。ギャッラルブルー関の崩落を見てすぐさま侵攻を始めた信長《炎》に対し、防御璧を失い決死の撤退戦を余儀なくされる《鋼》。そしてケルムト河の氾濫により本隊から寸断されたジークルーネは、かつて敗れた猛将シバと、避けられない死合いに入る――
最大の危機を前に勇斗は、《鋼》は、血路を拓けるのか!?


地震の発生をきっかけに風雲急を告げる第19巻。
撤退の準備と船の状況を伝えると、ジークルーネvsシバ、序盤からいきなりのハイライトに突入。
二度目の対戦で劣勢の中、死線をギリギリで潜り抜けながら、戦いの中で成長していくジークルーネの様子に手に汗握る。一方のシバは、その戦闘狂ぶりが死の気配を濃くし、でも戦い自体は正々堂々の気持ちいいものにと、いい味出していた。おかげで最初から最後までひりつくいい緊張感。個対個ではシリーズ最高かも。
また、撤退戦中にフヴェズルングvsホムラの、もう一つの個の戦いが。
撤退戦の作戦といい、幼女をいたぶる姿といい、兄さんマジ鬼畜w しかし、仕留められなかったことで化け物がさらに化け物に。これが最終決戦にどう関わってくるかが見ものだ。
本隊の方は探り合いの初戦を終え、次回ついに本戦へ。ようやく主役が活躍する場が整ったので、クライマックスに相応しい盛り上がりに期待したい。