いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「異世界からJK転生した元妹が、超グイグイくる。1」はむばね(HJ文庫)

平野庸一は、異世界からの転生者である。だが彼は、前世の冒険者生活のことは黒歴史として封印し、現代でごく普通の学生生活を送っていた。そんなある日、彼の前に転入生の美少女JK・環が現れる。なんと彼女は、天才魔術師にして「お兄様大好き」な、前世での「妹」が転生した姿だった!
「現世では、兄様との血の繋がりは消滅! もはや『血縁負けフラグ』はあり得ません!」「……いや、しょせんお前は妹だし」
超ブラコンな元妹がグイグイ迫る、超ハイテンション・ラブコメ!


同じ異世界から転生した凡人冒険者(兄)、天才魔術師(妹)、勇者、魔王が高校の同じクラスに集うハイテンションラブコメ
元の世界で背負っていたものや転生した理由など、シリアスな展開になってもおかしくない重めの設定だったのに、看板に偽りなくハイテンションのまま最後までボケ倒していきやがった。
兄=常識人に見せかけた変人・ボケ。妹=ブラコンを拗らせた変態・ボケ。勇者=常識に疎く意外に小物・ボケ。一応、魔王が呆れながらツッコミを入れる事もあるが、楽しいことにはそのまま乗っかるタイプなので、ツッコミらしいツッコミがいない。結果、テンポいいボケの応酬がそのまま暴走していく。同時にツッコミ不在の恐怖を味わえるw
ただ、個人的に残念だったが、これといって琴線に触れるキャラクターが居なかったこと。ラブコメは気に入ったキャラが一人いると、読む時のテンションが大きく違ってくるのだが。
それでも、頭をからっぽにして「こいつらバカだー」と笑いながら楽しめる、最近だとちょっと珍しくなったタイプの作品でよかった。今後は、魔王が覚醒した時にどうなるかが見もの。