いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「エクストラ・フォーリン・エールワイフ2」阿羅本景(LINE文庫エッジ)

季節は三月。ミサクミラが異世界からやってきて、早三ヶ月が経とうとしていた。だがミサクミラのビール修業は一向に進展せず、失敗を繰り返していた。片や千沙都は過去の迷いを振り切ったが故の、新たな悩みを抱えていた。そんな二人へ義文は気分転換に、皆でお花見に行く事を提案する。満開の桜の下、ミサクミラはビールとそれ以外のお酒に関して学び、千沙都は亡き母との幸せな過去を追憶する。だがこの花見が三人にとっての思わぬ事態の切っ掛けに……。これはビールが繋ぐ絆の物語。あなたもご一緒に乾杯を!


尿路結石になる神の呪い? なにそれこっわ(((;゜д゜)))
なんて、お茶目で無慈悲な女神も出てくるビールラノベ第2弾。
ミサクミラが自分の世界に日本のビールの製法を持ち帰るという夢を、実現させるための方法を模索し、「いい子」を卒業した千沙都が自分の将来の夢を探す、『夢』を語る物語。
千沙都ちゃんが真面目過ぎて切なくなる。中学生で自分の将来の夢をしっかり見据えている子なんてそうそう居ないから。これは真面目な子は真剣に悩んでしまう問いを書かせる学校側が悪いわ。
それにしても、主人公は社会人・ダブルヒロインが三十路人妻と中学生・メインの題材がビールと、どう見ても色物系なのに、ティーンエイジャーが自分の夢を見つけるという清く正しいライトノベルで、実際いい話なのがなんか悔しい。何でもありのライトノベルという土壌ならではの作品だ。
本題のビールの方も期待を裏切らず、今回も沢山出てくるクラフトビールの数々。
ライト文芸を含めお酒が出てくる作品は、日本酒メインのものばかりなので、ビールにフューチャーした作品があるのが、それだけで嬉しい。これで、章末にビールの画像付きで製造元の情報を入れてもらえると探しやすいんだけどなー(他社の居酒屋ラノベではやってますよ、編集さん)
ビールを楽しみながら女の子の成長を見守るというなかなか乙なお話で、今回も面白かった。次は今のところサポート役に徹している、主人公の番かな?