いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺がラブコメ彼女を絶対に奪い取るまで。」戸塚陸(冨士見ファンタジア文庫)

都立松場高校には学園三大美少女がいる。熊谷花、鹿野彩夏、沖津琴乃――しかし、彼女たちが興味を持っているのは「やれやれ、僕のことは放っておいてくれよ」クラスでも地味なハズの、どこにでもいる普通の男子高校生・沖津優太!
人気者だが恋人はいない、なんなら告白をしてフラれたことがある成瀬和臣は、クズと煽られたあの日から、自信を取り戻すため、優太から彼女らを奪うことを誓う!! 「あんな奴に負けっぱなしで終われるか!俺がただのモブじゃないってところを見せてやる!」メインヒロインを奪い取るまで終われない!?
リア充(?)男子高校生のヒロイン略奪ラブコメ!!


ハーレム主人公気質の同級生から彼女を奪い取るラブコメ。……だったはずなんだが、なんでこんな主人公にしたんだか。
自分にはどこをどう楽しめばいいのか分かりませんでした。



以下酷評


劣等感の塊のような主人公が焦りイライラし自爆する、何がしたいのかよく分からない話だった。
主人公がとにかく自意識過剰で自分のことしか見えていないので、肝心のヒロインたちに肩書き以上の個性を感じないし、可愛く映らないのがラブコメとして致命的。
また、ヒロインたちと仲のいい同級生男子を平凡で鈍感だと見下しておきながら自分が一番鈍感という状況で、その空回りぶりをコミカルに描いてくれたのならまだ笑えたのかもしれないが、ことごとくイライラに繋がっていくのでまるで笑えない。こんな扱いなのにピエロにすら成れないなんて、不憫な主人公だ。
今、焦らし系ラブコメは流行りではあるけれど、ここまで来るとただただフラストレーションが溜まるだけだ。