いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~」方波見咲(MF文庫J)

「凡田君と、もっと仲良くなりたいの!」高校生にして秘密諜報機関を指揮する天才少女、橘黒姫は初恋の真っ最中。好きな人のために組織の力を濫用し、超高度な諜報技術で接触を図る。
「……誰かに監視されている?」それに勘づいたのは初恋相手・凡田純一。一見影の薄い、平凡な男子生徒の彼は、実はある秘密を持っていて……?
「私が……凡田君と友達になるの!?」そんな中、組織の命令で凡田と接触することになった暗殺少女・芹沢明希星。友達の作り方なんて知らない彼女の行動は、とんでもない波乱を巻き起こす!
高校生の三角関係に裏社会の命運が揺るがされていく超本格学園スパイ・ラブコメ、開幕。


名家の娘で生徒会書記の優等生・橘黒姫。裏の顔は世界的秘密諜報機関の長。
存在感ゼロの陰キャぼっち・凡田純一。裏の顔はかつて世界を震撼させた伝説の工作員。現在組織から逃亡中。
一匹狼タイプの長身美少女・芹沢明希星。裏の顔はあらゆる殺人の技術を叩き込まれた暗殺者。
諜報機関の長、黒姫が凡田に惚れてしまったことから始まる、裏社会の猛者たちによる狂乱の三角関係学園ラブコメ

普通なら裏社会を舞台にしたスタイリッシュなスパイものになりそうなキャラ設定を、勘違いや空回りのラブコメ的要素に使っていく、とんでもなく力技なラブコメが展開されていた。
その設定とストーリーのズレもさることながら、登場人物たちの常識からのズレも凄まじい。それぞれにお互いの素性を知らないばかりに勘違いと疑心暗鬼が加速していくのだが、その内容がデンジャラス。この子たちの想像通りに事が運んでいたらいったい何人死んでいるのか。そうか恋は盲目ってこういうことを言うのか(違う
超高度な設定の無駄遣いというか努力の方向音痴というか、この馬鹿さ加減、好きだ。
設定上仕方がないがキャラ同士の絡みが少なかったので、それぞれに少し距離が縮まってお互いをある程度認識した次回が楽しみ。