いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔法科高校の劣等生(31)未来編」佐島勤(電撃文庫)

水波を奪還し、今までの日常に戻りつつある達也と深雪。しかしそれはつかの間のものでしかなかった。
USNAのエドワード・クラークは焦りを覚えていた。達也を無害化するための謀略に対する達也の警告。このままではUSNA内での立場が危うくなり、それを回避するには達也を斃すしかないと。
そして、新ソ連のベゾブラゾフも復讐の機会をうかがっていた。二度にわたる達也への攻撃が失敗に終わり、自身の戦略級魔法のためのCADまで破壊され、この雪辱に執念を燃やしていた。さらにもう一人の戦略級魔法師も達也へ狙いを定める!
それぞれの思惑は巳焼島で交差する――。


これ未来編なの? 襲撃編とか鎮圧編ではなくて? いやまあ、サブタイにこだわりはないけれど。
そんなことより、
お兄様無双、これを待っていた。魔法科高校の劣等生はこうでないと。
今回は達也だけでなく深雪もぶちかましてくれるので、これまで燻っていた様々なモヤモヤをド派手に吹っ飛ばしてくれた。その分、事後処理とその後が大変そうだけど。
道中、クラークとベゾブラゾフによって着々と進められる達也襲撃作戦の準備の間、ワクワクが止まらなかった。小国なら簡単に壊滅できそうな大規模破壊作戦だというのに、緊迫感も焦燥感もゼロなのにはやや苦笑してしまったが。地の文からして「火遊び」と表現してしまってるくらいだからなあ。むしろ、結局なんの危険もなかったリーナの帰還後の行動の方がまだハラハラ感があるという。
リーナといえば、もうすっかり癒し担当に定着したね。特に今回はシリアス続きの中の一服の清涼剤になっていた。いつの時代でも美少女の赤面「……バカ」は良いものです。
次回、サブタイトル明かされず。今回のように気持ちよく暴れまわることはもうそうはないと思うけれど、それでもやっぱりお兄様無双に期待してしまう。