いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインX ―ファイブ・オーディールズ―」時雨沢恵一(電撃文庫)

熾烈極まる第四回スクワッド・ジャムの死闘から約1週間後。『ファイブ・オーディールズ』、すなわち“5つの試練”の意味を持つ謎のクエストに、レンたちLPFMはボス率いるSHINCとの合同チームで挑む!
「今回のクエストは、スクワッド・ジャムとは違って対人戦闘はナシ。フィールドに出る“エネミー”を倒しクリアを目指す。そして一番重要なのは十二時ジャスト一斉スタートの“競争型”ってこと」
第一のフィールドに転送されエネミーを警戒するレンたちが目にしたのは――「こんにちは、皆さん」。言葉を喋るかわいい犬で……!?


SJ4でチームを組んだメンバーに、SHINCを加えた12人で挑む新クエスト“5つの試練”の様子を描くシリーズ第10弾。もう10冊目か。早いなあ。
今回はリアルの事情とか因縁とかしがらみとかはとりあえず置いといて、とにかくゲームを楽しもうぜ!がコンセプト。
無数のエネミーを無数の弾丸で撃って撃って撃ちまくる無双系、武器現地調達旗取りゲーム、vsドラゴンなど、ガンアクションVRゲームでやってみたいことが詰め込まれたわくわくパック。しかも出てくる装備もいつもの銃器や四輪だけでなく、二輪に四足(犬)と趣味全開のラインナップ。
こんなん楽しくないわけがない。だって、どう考えても作者が楽しんで書いているもの。おかげでサクサク読めるので、400ページ超のボリュームをまるで感じさせない。あっという間に読み終わった。
5つの試練の中で最もやりたくなったのはメカドラゴン戦。
デカいボスをみんなでというのはこの手のゲームの醍醐味だし、倒すのに閃きと工夫が必要なのが良い。次点で爽快感ある無双系だけど、小さいのにわらわらと追われるのがちょっと嫌かな。
キャラクターでの見どころはシャーリー(ただ好きなだけともいう)。性悪の第5の試練をサクッとクリアーしちゃうストイックさと怖さを見せつつ、時々素のいい人さが出ちゃうところが魅力。
今回はただただ一言、楽しかった。