いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「1LDK、そして2JK。 II ~この気持ちは、しまっておけない~」福山陽士(富士見ファンタジア文庫)

「うちの学校の文化祭……その、遊びにくる?」
「こ、こちらから本日のメニューをお選びくださいにゃん!」
奏音とひまり――二人の女子高生との同居生活に、サラリーマンの駒村も少しずつ慣れてきた頃。
笑い合ったり、涙を流したり。賑やかなJKとの日常のなかで駒村は、二人が自分に向ける特別な“想い”にも気づき始めていた。でも受け入れるわけにいかない。だって、大人だから。
今後の生活に駒村が思いを巡らせていた矢先、
「ずっと、好きだった……二人より、ずっと先に」
幼なじみ・友梨の思わぬ告白で、三人の関係が揺れ動き――。


一人のサラリーマンと二人の女子高生の同居生活ラブコメストーリー第二弾。
1巻ではラブコメだと認識していたけれど、これはシリアス強めでなかなかシビアな青春群像だ。
女子高生二人が家族に恵まれてこなかった子たちなので、元々シリアスになる要素は十分にあったのだけど。そんな二人にとって「ただいま」に「おかえり」が返ってくる家と温かな食卓がある生活は得難いものなので、もう少し穏やかに過ごしてほしい。と、思ってしまうくらいにはあちこちで揺れ動く心情が描かれていた。
特に恋心が話の中心になる後半は切ない。
優しさと同級生男子にはない落ち着きに惹かれ、どんどん駒村を好きになっていく奏音とひまり。家族としての愛情はあっても、大人として彼女たちの想いを受け入れられない駒村。そこにずっと片想いしている幼馴染の友梨も加わって、四つのすれ違う想いに切なさが募っていく。みんながみんな優しいから全員に幸せになって欲しいのだけど、ままならないものだね。
……って、こんなところで続くのか! 話の展開もそうだけど、ひまりにも奏音にも彼女たちの心を揺さぶる事件が発生してたところという、先が気になるところで次回へ。殺生な!
続き早う。