いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 アンソロジー4 オールスターズ」(ガガガ文庫)

青春群像小説の金字塔「俺ガイル」がついに完結! 9年の軌跡とアニメ3期の放映を祝し、アンソロジー4冊を連続刊行!! 本作「オールスターズ」は、俺ガイルをテーマに、自由創作の短編とイラストを集めた一冊。一色いろは、平塚 静、川崎沙希、戸塚彩加葉山隼人らの物語を石川博品、王 雀孫、川岸殴魚、境田吉孝、さがら 総、天津 向ら超豪華作家陣が執筆。うかみ、U35、エナミカツミえれっとななせめるち、ももこといった大人気イラストレーター、渡 航、ぽんかん⑧の原作コンビも参加! すべてかき下ろし、夢のコラボレーションが実現した、珠玉の物語集! 


俺ガイルアンソロジーその4
いろはす表紙でアンソロジーいろはすが出て来ないとは、これ如何に。本編には出たけど。
一話目の『たとえぼくたちの青春ラブコメがまちがっていたとしても、』があまりに素晴らしくて後の全てが霞んだ。
というか、他が微妙。アンソロジーでは他の作家が書く八幡にずっと違和感を覚えてきたが、このオールスターズは八幡だけじゃなく違和感だらけ。これ誰?って話ばかり。俺ガイルをちゃんと読んでいる作家さん、他に居なかったんですかね。



以下各話事



たとえぼくたちの青春ラブコメがまちがっていたとしても、 石川博品
内容:俺ガイルと共に青春時代を過ごしてきたぼっち青年の独白
青春時代の甘酸っぱさ、辛い経験をし大人になってからの苦さ。こんなん俺ガイル読者に刺さらないわけがない。
雪乃sideで俺ガイルらしくないお馬鹿な高校生を書いたと思ったら、次に出てくるのがこれだもの。石川先生ずるいわー。
本家を抜くと(あれはアンソロジーでなく本編のその後短編なので)、アンソロジー4冊の中でこれが一番好き。最高でした。



やはり、船頭の多い船は山に登る。王雀孫
内容:文芸部のごっちゃになったリレー小説をなんとかしたかった話
出演者絶対殺すマンと化した雪乃のターンはちょっと笑えた。あまり雪乃が書きそうな文章じゃないけれど。
そもそも題材が悪かったと思うの。これを面白くするの無理だわ(^^;
で、オチは? 八幡ズルするなー。



案外、葉山隼人の気の迷いは長い。川岸殴魚
内容:葉山、壊れる
戸部が頑張ってた。
オンパレードの『ぼくのかんがえたけんぜんなはやはち』でも葉山が弄られていたが、あちらにはまだ想像できる未来で笑えるところがあったけど、こちらは葉山感ゼロでただただ冗長。きつい。
川岸先生、結衣sideは良かったのにどうしてこうなった……。



負けられない婚活がそこにはある 境田吉
内容:平塚、壊れる
平塚先生の必死さ、結婚話が絡んだ時のダメダメさはらしくて良かった。
ただ、こんな必死な人をいたぶるような真似を八幡と材木座はしないと思う。そもそもスタート時点で死に物狂いで逃げるだろう。
童貞を殺す服風静ちゃんの挿絵が良かった。



十年後の八幡へ さがら総
内容:戸塚、やさぐれる
誰?…………誰?
天使を穢した罪は重い。



川崎沙希と比企谷八幡の、記念日にまつわる話 天津向
内容:八幡と川崎、それぞれのプレゼント選びのお手伝い
双方口調と行動に違和感しかない。



しかし、その言葉の裏には裏がある。 渡航
内容:新生奉仕部の日常(いろはが奉仕部に入り浸る理由)
裏っていうか本音っていうか。女子語も女の子も恐ろしいです。
結局どこに行っても“あてられる”いろはすに同情するとともに、普段の行いから少しざまぁ!とも思ってしまう俺がいる。
しかし、この子は強いわ。へこたれる様子が微塵もない。