いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「デパートの可憐さん!」笹森岬(メディアワークス文庫)

札幌のデパートでアパレル店員をする可憐さんは、少々ゴツめな、超ポジティブ女子。「ゴシャレ(ごつい+おしゃれ)」なカリスマ店員として注目を集める可憐さんの夢は、憧れの本社プレス勤務と、いつか出会う運命の人との素敵な結婚。夢に向かって激務をこなすある日、海外赴任が決まった弟のマンションに住む事に。そこにはなぜか超絶美男子の同居人がいて――!?
ミスの多い後輩バイト、エリート意識の強い新人社員、本社にノーと言えない店長等、ユニークな同僚がもたらすトラブルをはねのけ、可憐さんは夢を叶えられるのか!?


これはあれだね。昔の少女漫画雑誌には必ず一作はあった、ハイテンションなギャグマンガ風の作品。最近は全然読んでいないけど今でもあるのかな?
ごめんなさい。この手の作風、ちょっと苦手。
という好みの問題もあるけれど、あまり楽しめなかったのは、強烈な第一印象とその後の話のギャップに頭が混乱したのもある。
超ポジティブ女子という紹介文に、スタントマンばりのアクションを見せてくれるド派手なオープニング。パワフルなお姉さんが出てくるのだろうと思わせてからの――
あれ?可憐さんが主人公なの? この手のキャラは弱い主人公を引っ張り上げる役こそ生きるのに。というか可憐さん、実は長身で力が強いだけで中身は普通の悩み多き女性じゃないですか。超ポジティブどこいった? 
作風が合わなかったのは好みの問題なので仕方がないけれど、それとは別にあちこちちぐはぐなのが気になった。作家と編集、作り手の意識のすり合わせをちゃんとしてほしいと感じる作品だった。最近、メディアワークス文庫のあらすじと中身が合ってない率が高いような……。