いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「幼なじみが絶対に負けないラブコメ5」二丸修一(電撃文庫)

丸末晴ファンクラブ爆誕!? お、俺にこんなに隠れファンがいたとは……! 可愛い女子たちが押し寄せてくる――これがハーレム主人公の日常かぁあああ!!
思えば、黒羽は最強幼なじみで、白草と真理愛も誰もが羨むハイスペック女子。この3人と仲良くできるだけで幸せというもの……。しかし! ファンクラブの女子は何かいろいろさせてくれるかもしれないわけで……ど、どうすれば……。
末晴に女子ファンが押し寄せる緊急事態に、黒羽、白草、真理愛の3人で、まさかのヒロインズ共同戦線が成立!? 彼女たちにもファンクラブが誕生し、もはや収拾不能のヒロインレース第5弾!


末晴だけでなく、女の子三人にもそれぞれ校内にファンクラブが出て、大騒ぎな5巻。
まさか、このシリーズにこんな正統派なヒロインが現れるだなんて。
生徒会副会長、恵須川橙花。末晴に対して淡い恋心を胸に秘める真面目で公正な女の子。まずは相手のことを一番に考える慎ましやかで優しい性格に、敵いっこないからと自分の気持ちを封じ込めようとするいじらしさ。本気で好きになったエピソードも良しと、それはもう“普通に”可愛い。元々計算高く腹黒い黒羽&モモと、それに感化されつつある白草の毒気も我も強い三人娘と比べると、聖女にすら見える。もうメインヒロインはこの子でいいんじゃないかな?
そんな彼女の誠実さに毒気を抜かれたのか、三人娘はかなり大人しい。白草だけでなく黒羽やモモまで出ばなをくじかれて、空回ることすら出来ていない感じ。悪だくみ仲間の哲彦も同様で、仇敵に慰められてしまう始末。
登場人物が多く表面上は賑やかな回だったけど、裏の駆け引きという点で見ると過去5巻で最も大人しい回だった。今回は全員やや負けでドローといったところ。
次回はモモがメインの回か。芸能の話にはあまり興味がないが、それがどう三人娘の戦いに反映されるのかは気になる。