いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?2」高木幸一(GA文庫)

文化祭でシンデレラの王子役をやることになった、真。奇しくも姫芽の学校でもクラスで演劇を予定し、シンデレラ役を姫芽がするという。
ならば一緒に練習せよという長女、宙子の提案に戸惑う姫芽。
また町内の運動会に草原家も参加することを宙子は宣言、二人三脚の練習を真と波月に命じた。
近づく真と姫芽、そして真と波月。姫芽の真への想いに気づいた波月は、三人で出かけることを提案する。
姫芽と波月の新たな魅力に触れ、真の胸にはある想いが過ぎる……。
「魔法は解ける。たぶん、どんなものでも。でも俺の気持ちは――」
高木幸一×YuzuKiが贈る甘く、もどかしい青春ラブコメ第2弾!


草原美人四姉妹と天涯孤独の主人公・黒川真の一つ屋根の下ラブコメ第2弾。高校の文化祭、中学の学芸発表会、地区の運動会とイベント目白押し、大忙しの草原家の様子が描かれる。
前半はこのイベント過多な状況を成立させるために色々無茶していて、話の進み方に首を傾げることが多いけど、状況が整ってからは、1巻同様シリアスと温かさと甘さが絶妙に合わさったホームコメディ+ラブコメに。
でも、何でこんなに詰め込んでいるんだろうと思っていたら、、、そういうことか。どうみても綺麗に終わっちゃってるよなあ。
個人的にイチオシの次女・波月がヒロインレースに本格参戦して歓喜していたところだったのに。真もクラスメイトと上手くいきだして、彼の人生がやっとちゃんと回り始めたところなのに。
自分は泥人形だと心を殺してた少年が、自分のことを考え自分の気持ちを言えるようになるまでの過程と、それを支える草原家の温かさ。ハートフルホームコメディとして、とてもいい物語だった。
でも、ラブコメとしては主人公がやっとスタートラインに立ったところで、この先を読めないのが非常に悲しい。今はその悲しさが勝っている。