いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ソードアート・オンライン25 ユナイタル・リングIV」川原礫(電撃文庫)

亡き友と同じ目、同じ声を持つ仮面の男エオラインとの邂逅は、キリトに深い衝撃をもたらす。だが二つの仮想世界で同時進行する異変が、感傷にふけることを許さない。
「もしかしたらこれは、新たな異界戦争の端緒なのかもしれない」
二百年後の《アンダーワールド》に、再び訪れる動乱の予兆。
一方《ユナイタル・リング》では《仮想研究会》のムタシーナとの決戦が迫る。彼女が率いるのは、恐るべき窒息魔法《忌まわしき者の絞輪》に拘束された、百人もの大部隊。迎え撃つキリトたちは、圧倒的劣勢を跳ね返すべく策を練るが――。


ユナイタル・リング編パート4。
しかし、そのサブタイトルとは裏腹にユナイタル・リングの存在感が一気に薄くなった。
冒頭のムカデ退治は緊張感と協力プレイの面白さがあったが、言わばアインクラッドの遺産。ラスナリオ襲撃の方は他人に悪意を向けられた戦争なので、心情的にゲームとして楽しめない。しかも首輪問題はあっさりで決着は持ち越しだし。
キリトの有名税で人の悪意に晒されるのは仕方がないのかもしれないが、「このゲーム楽しそう」がユナイタル・リング編の一番の特長だと思っていたので、それが一気に薄れてしまったのが残念。見どころはユイちゃんガンバルだけだった。
もう一つユナリンの存在感を薄くしたアンダーワールド
あの後どうなった?が知れるのは読者としても嬉しいし、キリトもアスナもアリスも明らかにアンダーワールドの方が感情の揺らぎが大きいので、物語としてもこちらの方が面白い。
セントラル・カテドラルの戦いから二ヵ月しか経ってないんだ!? そりゃあキリトにとってユージオはまだ思い出ではないよね。読者的には何年も前の過去の人感あるんだが。
……って、こっちもこんなところで切るのか! 殺生な。(続く)なのはいつものことだが、今回は二重に中途半端なのでいつも以上にスッキリしない。これだけ挿絵に雄弁に語らせるのなら、再会までいってくれれば良かったのに。
セリカの左右に居るのはもちろんあの二人。これは第二回深夜の女子会開催の可能性が?