いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?」七菜なな(電撃文庫)

とある田舎の中学校で、ある男女が永遠の友情を誓い合った。1つの夢に向かい運命共同体となった二人の仲は――特に進展しないまま2年の歳月が過ぎる……!
未だに初恋がこない陽キャ女子・犬塚日葵と、花を愛する植物男子・夏目悠宇は、高校2年生になっても変わらず、二人だけの園芸部で平和に親友やっていた。
「悠宇が結婚できなかったら、アタシが責任取ってやんなきゃねー」「日葵がそれ口走ってから、おまえの兄さんが『義弟くん!』って呼んできて辛いんだけど」
ところが、悠宇が過去の初恋相手と再会したことで、突如二人の歯車が狂い出す!? 果たして恋を知った日葵は「理想の友だち」脱却なるか?


フラワーアクセサリーのクリエイターを目指す少年・悠宇と、彼と意気投合した陽キャな美少女・日葵は、恋って何?で意見を同じくする中学時代からの親友。そんな恋なんてするはずがないと思っていた二人が、異性の親友への恋心に気付いてしまったことで、関係が変化していくラブコメディ。

男の子の方の意識はヒロインのよりもフラワーアクセサリーの方に向いているので、恋心に気付いたヒロインの暴走を楽しむタイプのラブコメ。そのフラワーアクセサリーだが、花の知識も加工の知識も意外と本格的でそこだけ読んでも結構面白い。
さて、最大のお楽しみポイントであるヒロインの日葵さん。……うーん、微妙?
多少の面倒くささは可愛いと思えるし、ポンコツ空回りヒロインは大好物なんだけど、驚くほど刺さらなかった。自分にはちょっと味付けが濃すぎたかな。基本が職人気質の主人公視点なので、彼の「作業の邪魔するな」という感情に感化されて、ちょっとウザいなと思ってしまったのが原因かも。
これがヒロイン視点で書かれていたらまた印象が違ったんだろうけど。というか、全編ヒロイン視点で初めて恋心が芽生える瞬間とか好きだって自覚する瞬間とか書いて欲しかった。
シチュエーションは最高で、主人公も真っ直ぐな性格で悪くなかったんだが……まあ合わないものは合わない、しょうがない。