いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話1」緋月薙(HJ文庫)

やや苦労性な御曹司の鳥羽悠也と、外面は完璧お嬢様だが中身はノリの良い親友タイプなご令嬢・伏見美月。
幼馴染で婚約関係な2人は高校入学から半同棲しており、周囲からはよく“熟年夫婦"と言われるほど仲が良いのだが……互いを知り過ぎて、恋愛を意識すると恥ずかしくて手も繋げなかった!?
「「“夫婦以上"はともかく、“恋人未満"は、なんかヤだ! 」」
と火が付いた2人は、恋人っぽい体験を積み重ねていくことに!
これは、自覚なしバカップルの、恋仲“もっと"進展物語。


砂糖を吐かせることに定評がある緋月先生の久々の新シリーズ。
いいとこのお坊ちゃんお嬢さんで生まれた時から許嫁。関係は良好で高校生にして熟年夫婦と言われる二人が、言われてみればして来なかった年相応の恋人っぽいことをしようと一念発起するラブコメディ。

普段ナチュラルにやっている相手の為の行動、スキンシップ、無防備さなどの仲良し行動を、無理にでも理由を探して言語化していくという非常に回りくどいことをして、その結果、自分たちでテレて/恥ずかしくなって二人で赤面するという、マッチポンプなんだか見せ付けプレイなんだか、よくわからない世界が展開されていた。とりあえず甘いことだけは確か。
それと、人の振り見て我が振り直せとばかりにカップルの様子を参考にしようとするのだが、結局いつもの二人の世界に突入していくので「もう好きにやってください」としか言い様がない。
そんな、「やれやれ」と言いながら甘さを楽しむ作品になっている。
ただ、登場人物が多いのと1巻ということもあり説明がかなり多くて、二人のイチャつきを楽しみ切れないところがあるのが少し残念。
でもそのおかげでキャラクターの性格、立ち位置、社会的地位、関係性等々、ステータス説明が十分に出来たので、次はもっと二人のシーンが多く、そして甘くなるはず。