いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!14」白鳥士郎(GA文庫)

『中学校卒業までにタイトルを獲れなければ引退させます。そして――』
女流名跡リーグ、遂に開幕。
あいは両親と交わした約束を守るため、親友に貰った秘策を胸に東京へと乗り込む!
「使うよ……澪ちゃん! 」
一方、史上最年少二冠を目指し各地を転戦する八一は、多忙を極める中で恋人に提案する。
「結婚しよう」
「ふぇ!?」
四段昇段という夢を叶え、想いが叶い、あらゆる幸せを掴んだ銀子。
そのプロデビュー戦の相手は……人間の形をした、最凶最悪の、才能。
虚構か、それとも予言か。将棋界の新たな章が始まる、激震の14巻!!


八一は二冠に向けて着々で、公私ともに順風満帆。一方、女性初のプロ棋士になった銀子は引っ張りだこで将棋どころではない状態。そしてその時あいは……な、最終章開幕。
開始当初は色ボケバカップルの継続で完全ラブコメモードに?と思われたが、もちろんそんなことはなかった。勝負の世界もこのシリーズもそんなに甘いはずがない。
それにしてもまた銀子なのか。一体いくつ彼女に試練を与えるのか。一応、八一にも辛い転機はあったが、どちらかと言えばあいの問題だし。ともかく、いったん離れてどういう変化が訪れるのか、急にチャンスが来た他のヒロインたちの動き共々目が離せない。
と、人間関係は最終章の開幕に相応しく風雲急を告げるといった体で、今後の展開が非常に気になるところなのだけど、今回は将棋がかなり期待外れ。ほとんどソフトの話に終始していたので、素人にはちんぷんかんぷん。
八一と於鬼頭は帝位戦と竜王戦で最低4回は対局しているはずなのに、ラーメン食ってソフト談義しただけで対局は一度も出てこない。あいと銀子の対局シーンはあったが、問題を匂わせる/浮き彫りにする対局で熱さは皆無で、師弟対決は切なさばかり。まだ熱の入らない章のスタートとは言っても、一局くらい熱い勝負が読みたかった。
まあ、章の初めだからこんなものかな。嵐の前の静けさってことで。このシリーズのことなので、この先で熱い戦いを何度も読ませてくれることは信じて疑わない。

万智さん、悪い顔して悪いことしようとしてますけど、すでに小学生に後れを取ってます! ぶっちゃけダサいですw でも、悪い女になり切れないところが好き。