いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「双神のエルヴィナ」水沢夢(ガガガ文庫)

創条照魔は、幼き日に人間界へお忍びでやって来た女神と出会い、恋をした。いつかまた逢う日までに彼女にふさわしい男になろうと努力を重ねた彼は、小学生にして一企業の社長を任せるほどに成長。そんなある日、ひょんなことから天界へと迷い込んだ照魔は、女神同士が戦争を繰り広げる凄惨な光景を目撃。戦いの最中、命の消えかけた一人の女神に思わず手を差し伸べた照魔は、彼女と命を共有するという事態に……。その女神の名はエルヴィナ、天界最強と謳われる危険な女神だった。――これは、女神と契約した少年の恋と戦いの物語。


人々がやる気をなくす奇病により一度滅びかけた世界。ELEMという万能物質の発見により滅亡は免れ、復興の半ばにある人間界に突如女神が襲来する。ELEM、それは信仰心=天界の女神たちの生きる糧だった。人間界と天界、生き残りをかけた戦いが始まる――。といった感じの近未来チックなファンタジー。但し、作者曰くあくまでラブコメらしい。

ツインテールの次は女神ですか夢先生。ヒロインが女神なら侵略者も女神。開始たった4ページで女神という単語がゲシュタルト崩壊を起こすのは流石です。でも、タイトルの双の字にまだまだツインテールみを感じてしまうのは自分だけじゃないはず。
そして戦隊モノ変身ヒーローの次は巨大変身ヒーローですか夢先生。男女二人で変身というとウルトラマンエースですね。
そんなわけで今作も可笑しくておかしい(狂ってる)ヒーローものになる模様。
1巻の印象はこれ「女神ヤバい」。なにせ本人が女神のヒロインが自ら「女神は基本的にみんなヤバいわ」と言ってるくらいだから。
ヒロインは唯我独尊な中二病発症者で、侵攻してくる女神はどいつもこいつも人間界にいたら婚姻届を片手に突っ込んできそうなやつばかり。唯一の例外の良識人は何故かグーグーガ〇モみたいなマスコット化と、まともな女神は一人もいない。
……そう考えてみると全然勝てる気がしないな。これ人間界滅ぶんじゃね? しかし、男のいない世界のはずなのになぜ彼氏が欲しいのか(うわなにをするy
と、笑いの中に狂気を感じるボケを大量にかましつつ、ここぞのシーンの盛り上げ力は流石の一言。成長を見せる為に心では泣きつつも笑顔で見送る、少年が男になるシーンが泣ける。
ただ、熱さの面では物足りない。ハイライトは切ない別れで、そもそもまだ1巻なので、熱に関しては今後に期待ということで。