いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「天才王子の赤字国家再生術9 ~そうだ、売国しよう~」鳥羽徹(GA文庫)

「よし、裏切っちまおう」
選聖侯アガタの招待を受けウルベス連合を訪問したウェイン。そこでは複数の都市が連合内の主導権を巡って勢力争いに明け暮れていた。
アガタから国内統一への助力を依頼されるも、その裏に策謀の気配を感じたウェインは、表向きは協調しながら独自に連合内への介入を開始する。それは連合内のしきたりや因習、パワーバランスを崩し、将来に禍根を残しかねない策だったが――
「でも俺は全く困らないから ! 」
ノリノリでコトを進めるウェイン。一方で連合内の波紋は予想外に拡大し、ニニムまでも巻き込む事態に!?
大人気の弱小国家運営譚、第九弾!

祝☆アニメ化!


王政ではなく四都市の代表の合議によって政治が行われているこの世界では珍しい国ウルベス連合。その国の年に一度の調印式に他国の王子ウェインを招待した東の代表選聖侯アガタの真の目的とは? という内容で送る第9巻。
作戦開始から招待した本人を裏切る前提で動き出す主人公とは思えぬ悪役ムーブ。一見平和的でも中身は相手の弱点を的確に突く実に嫌らしい悪魔的な嫌がらせの数々。ウェインが相変わらずウェイで楽しい。お見合いで嫌がらせするとか、どういう頭してたら思いつくんだよ。
ただ今回は自分に火の粉がかからない分、やり口はやや大人しかった印象。
でもその分、ニニムさんがヒロインしてた。
いつもは諜報兼護衛で、小休止的に可愛い成分を補給してくれるだけだが、今回は悩んだり捕まったりと扱いが完全にヒロイン。おかげで素が出たシーンが多く読めて嬉しい。「くてーん……」はズルいわー。
今回も面白かった。
次は東も含めてド派手になるそうなので、出て来るであろうロワとの狐狸合戦に期待したいところ。フラーニャを擁立しようとしているウェインの一連の動きは、自分が隠居する布石か?はたまた別の狙いがあるのか?も気になるところ。