いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「義妹生活2」三河ごーすと(MF文庫J)

高校生の浅村悠太は親の再婚を機に、学年で一番の美少女・綾瀬沙季と一つ屋根の下で兄妹として暮らすことになった。同年代の異性との生活に慣れないながらも、どこか似たもの同士だった二人の距離感はお互いに程良く保たれていた。だが、定期テストをきっかけに沙季の様子に異変が生じる。苦手教科に悩む沙季を心配し、その支えになろうと考えた悠太は、彼女の勉強環境を整えたり、集中できる音楽を探したり、さまざまな工夫を凝らしていく。しかしそれと時を同じくして、悠太はバイト先の先輩である美人女子大生・読売栞からデートに誘われる。その事実を耳にしたとき、沙季の心に浮かび上がった“ある感情”とは……?


親の再婚で兄妹になった高校二年の男女の、ひとつ屋根の下ラブストーリー第二巻。夏休みに入る辺りの一週間が描かれる。
悠太と紗季の高校生としては大人びた性格と、高校生の一日一日を丁寧に描いていく描写からくる、ゆったりとした空気は1巻と変わらず。でも話は思った以上に急展開。
今回はバイトの先輩・読売栞が本格参戦。
アドバイザー的存在なのかと思ったら、悠太に対して割と本気なのでは?と思われる場面がちらほら。会話の半分以上が冗談で本心が分かりにくい人だけど(そしてその冗談のおかげで悠太のとの会話が面白いのだけど)、こうなると本心を隠すあの話術が逆に怪しく思えてくる。
また、その悠太の先輩の存在が濃くなったことで、紗季が予想以上に揺さぶられていたことに驚く。紗季の性格と異性に対する感情からして、“ラブ”ストーリーらしくなるのはもっと後かと思ってた。
作品の空気がゆったりなので錯覚しそうだけど、同居生活に入ってまだ二週間。実は急速に惹かれている紗季。理解してもらえる、理解しようとしてくれているのがいいのか、波長が合ってそうなのがいいのか。いや、恋は理屈じゃないよね。とにかく、これは面白くなってきた。
次回、夏休み本番。義妹vs先輩の直接対決が始まる? 変わりつつある紗季に対して、悠太の方がどう変わっていくかが楽しみ。