いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「スーパーカブ7」トネ・コーケン(角川スニーカー文庫)

大学入学を目前に、小熊は思いがけず愛車のかぶ0を全損してしまう。代替車として用意されたのは「スーパーカブ90」。
東京での小熊の大学生活は、新しいバイクと共に始まった。
入学式、オリエンテーション。それから木造一軒家の自宅のセルフリノベーション。試行錯誤しながら大学生活に慣れ始めた小熊は、不思議な雰囲気の2人の女性に出会う。黒いドレスが目を引く美女・竹千代と、なぜかカブを見て辛そうにする少女・春目。「セッケン」という謎のサークル活動をしている彼女たちに誘われ、夜の街に出かけることになって……。
新しいカブが小熊にもたらす出会いとキャンパスライフ。


ついについに大学生になった小熊の日常を描く第7巻。
次から大学生編だろうと思ったところから、事故ったり卒業旅行したり短編集になったりで、大学生編はやる気ないんじゃないかと思ってた。
山梨から東京へ移り心機一転、ライフスタイルや生活環境が一変し、不慮の事故によりスーパーカブまで一新され、まさに新たなスタートを迎えた小熊。そしてもちろん、礼子と椎とは進路がバラバラなので友好関係も新しく……なったのか?
偉そうで男勝りな先輩に小動物然としながら強い芯を隠し持った同級生。なんだかもの凄く既視感があるんですが。変わり者の小熊の周りにはこういう人材が集まるんだなって。作者がこの組み合わせが好きなのか、書きやすいのか。
ちなみに東京在住の椎は出て来るが、スポーツ少女にジョブチェンジしていてビックリ。そういえばカブに乗る前は自転車乗り回してたっけ。礼子はまあ、礼子だから。小熊の扱いもぞんざいだしw
さて、そんな似たような仲間を見つけてきた(というか絡まれた)小熊さんはDIYに目覚めた模様。
ボロ屋のセルフリノベーションに熱中する小熊が楽しそうで、相変らず的確に男の子心をくすぐってくる。大工仕事している挿絵(113頁)が最も生き生きしてるって女子大生としてどうなの? 学生の本分が大丈夫なのか心配になる。
そんなわけで、大学生になっても相変わらずな小熊の様子に、安心した巻だった。(最後の事件以外は)
ほぼ新車を手に入れたのに新車はあまりいじらず遠出もなかったので、次はじっくりカブに乗りカブをいじる姿を読みたいかな。