いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「社畜男はB人お姉さんに助けられて――3」櫻井春輝(モンスター文庫)

ブラック企業に勤める柳大樹は、倒れたところをホワイト企業の社長である玲華に助けられ、彼女の自宅で介抱された。大樹が、助けてくれたお礼も兼ねて振る舞った手料理は、玲華の胃袋と心を掴み、大樹達は次第に仲を深めていく。そんな中、後輩たちの転職の面倒をみてから転職することを決意した大樹は、彼らの転職先の第一希望が玲華の会社だと知って……。大樹達の転職は果たしてどうなるのか? 料理が得意な社畜青年と、仕事はできるが私生活ポンコツな美人お姉さんが織りなす、ニヤニヤ必至の社会人ラブコメディ、第3弾!


ブラック企業社畜主人公とホワイト企業の敏腕女社長の飯テロラブコメ第三弾。
今回は飯テロ力は控えめ、その分イチャイチャ成分大幅増量といったところ。それもそのはず全体の半分弱150ページが、土曜深夜から日曜夜までの一日弱の出来事っていう。そりゃあ飯作る機会少ないよね。
少ない中でも胃袋を刺激してきたのは深夜のだしの素出汁茶漬け。たまにやると旨いんだよね、あれ。容易に味が想像できる分かりやすさに、トッピングのチョイスの妙、相変らずそれだけで食欲をそそる玲華の反応が合わさって、深夜に読むと恨めしい感情がw
さて、(飯テロを犠牲にしページ数を掛けた)濃密な時間でイチャイチャしていたお二人、
まだ付き合ってもいないのに同棲開始しました! ……ん? 付き合ってないんたっけ?
揶揄う大樹に慌てるポンコツ玲華の構図の安定感とか、膝枕の自然な感じとか、随所に出て来る甘い空気とか、どう見ても恋人同士なんだけど。「付き合ってください」がスタートではないカップルなんていくらでもいるから、大人にしてはプラトニックなだけで、普通に恋人なのでは? 大樹が想いを言葉にする時は違う意味になってそう。
後半は大樹と後輩たちの転職準備編。
大樹に憧れる後輩たちがメインとなる話だが、後輩たちには悪いけど大樹と玲華に付け入る隙があるようには思えないので、サブヒロインの恋模様よりも、玲華のポンコツぶりを楽しむ話として読んだ。あと重要なのが大樹と麻里の出会い。玲華からかいコンビが出会ってしまったことで、玲華の今後が心配だ。
次は転職編かな。強力タッグによってもたらされる、さらに可愛いポンコツ玲華に期待。