いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「百錬の覇王と聖約の戦乙女22」鷹山誠一(HJ文庫)

グラズヘイム崩壊の音とともに、ユグドラシル最大の決戦は一旦の幕を閉じた。
混乱に紛れて主戦場から抜け出した勇斗たち《鋼》軍は、身を潜めながら未だ大軍を擁する《炎》の様子を伺うが、そこで目にしたのは信長自らが掲げる停戦の旗だった!果たして罠か? それとも――疑いつつも勇斗は信長とのふたたびの会談へと向かう。《鋼》と《炎》、永きにわたる戦いが決着を迎える激動の第22巻!!


ユグドラシル史上、最大にして最後の戦いがついに決着!でも最終巻じゃないよ、な22巻。
長かった。信長とは15巻から戦っているので、この巻を入れると8巻分。全体の1/3以上が信長編ということになる。
その長い戦いの結末がこれか、、、理解はできるが納得はできないといったところ。
そもそも戦っている目的が違うから、停戦の落としどころとしては申し分ない。それに、互いに認め合い勇斗が未来を託されるシーンは胸が熱くなる良いシーンだ。
でも、シリーズ終盤に勇斗の見せ場があまりなかったことには納得がいかない。信長という強者のイメージが固まったキャラクターを生かそうとすると、勇斗が大勝するわけにはいかなかったのは分かるが、それでも主人公にはスカッと勝って欲しかったというのが本音。胸の内を語るシーンも信長の方が多くて、どちらが主役なんだかと思ってしまう。
エピローグ的な話が2巻分もあるようなので、スカッとするのは新天地での無双に期待ということで。久々のラブコメも。果たしてイングリットさんに春は来るのか?