いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの2」岩田洋季(電撃文庫)

――わたしたちにとってふさわしいお付き合いの仕方ってどんなのかな?
午後九時、ベランダ越しのデートを重ねてきた僕と先輩に夏休みがやってきた。海にプールにお祭りに、二人きりで楽しみたいイベントはたくさんあるけれど、僕たちの関係はまだ誰にも言えない秘密。
そんな日々の中、僕が家族旅行に出かけることになってしまい……。恋人同士になって初めて、離れ離れの時間を過ごすはずだったんだけど、旅行先に先輩の家族も一緒に行くことになり。二人きりのベランダを飛び出して、僕たちの内緒の夏のランデブーが始まった。
近くて遠い二人きり、ミステリアスな先輩と僕のベランダ越しラブストーリー、第2巻。


水着エッッッッッッッッ
これは流石に二十代中盤を越さないと着ちゃいけないやつじゃないですかね、先輩。なんかもう着てないよりエロい。
と、口絵でビックリしていたら、
付き合い初めなのに、いきなり寝〇らせデートプレイとかマニアックだな、おい! 直前に読んだ王道ピュア路線を行く『隣のクーデレラ』とのあまりのギャップにクラクラした。
こう書くと相当な色物ラブコメに思えるが、そこに込められた想いはいたって真面目。
付き合い始めた男女が、誰もが思い浮かべる普通の男女の付き合い方を「恋人たちの神話」と称して、自分たちはそんな踏み固められた道を進むだけでいいのか。それで満足や納得ができるのか。と、自分たちの付き合い方を真剣に悩み、恋愛に対して誠実に向き合った愛の深い物語になっている。
先輩がかなりのムッツリスケベな上に性癖がマニアックなので、上記のように色物に見えるし、「この子たち、いったい何処まで行っちゃうんだ」と心配になる側面もあるが、中てられるくらいの純愛だったのは間違いない。
愛の形は人それぞれ、そして業が深いものだとライトノベルらしからぬ感想を抱く一冊だった。