いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「豚のレバーは加熱しろ(4回目)」逆井卓馬(電撃文庫)

「私もやってみたいです! らぶこめ!」
ジェスが突拍子もないことを言い出した。なあジェス、ラブコメっていうのは恋愛対象がいないとできないのだが……。え、もしかしなくても相手は、俺? ブヒブヒッ!
王朝に反旗を翻していた闇躍の術師を撃破し、ひとときの安寧が訪れていた。二人きりのブヒブヒハネムーン!というわけではないが、どんな願いも叶えるという「赤き願い星」を目指し、俺とジェスは北を目指して楽しく観光旅行中なのだ。なんといっても温泉が楽しみ! ジェスたそと一緒のお風呂……。
もはやお互いの気持ちを隠すことなく、相思相愛のイチャラブ状態。だがジェスには気がかりもあるようで……? 謎とラブに溢れた旅情編!


ジェスたそ“らぶこめ”する!な第4巻。
これまでに比べてかなり遊んだ回だった。
随所にオタネタをぶっこんでくるのは前からだけど、章のタイトルから分かりやすいラブコメラノベパロディで、中身もラブコメ王道シチュエーションが目白押し。おまけにジェスの魔法でコスプレ(口絵挿絵もいっぱいあるよ!)までさせていて、かわいいジェスたそ満載の一冊になっている。
序盤は今までの基本シリアスな雰囲気が霧散しているばかりか、前巻のラストと話が繋がってないことに困惑しながら読んでいたのだけど、ジェスの楽しそうで幸せそうな様子に、これはこれで有りだと思えてくる。過去一番明るく可愛く映るジェスには、それだけの破壊力があった。まあ、真実を知ると悲しくなるので、目を逸らしていた面は大いにあるが。
もちろん最後まで読めばちゃんと前巻と繋がるように出来ている。こんなに遊んだ回でも、きちんと伏線を張った謎解き要素を忘れていないのも良い。これこそこのシリーズの醍醐味だ。そして、そこで明かされた真実は、一応最悪の状態ではない……かな?
最後まで読んみると、今回は豚や読者へのご褒美回に見せかけて、本当は頑張ったジェスへのご褒美の旅だったのかもしれないな。
豚がやーーーーーっと自分の気持ちに正直になれたので、次回こそ豚の活躍に期待したい。ジェスたそを幸せにできるのはお前だけだぞ!