いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!15」白鳥士郎(GA文庫)

「棋書を出しませんか?」
休場を選択した銀子と、関東へ移籍したあい。
二人の行方を追う八一が頼ったのは、女流棋士にして記者の顔も持つ供御飯万智だった。
「え!? 俺が将棋の本を書くの!?」
意外な条件に驚く八一。しかも万智は執筆に集中するためと、旅館でカンヅメになることを提案して……。
「……着いたで? 八一くん」
急速に接近していく幼馴染の二人。
一方、タイトル初挑戦を目指すあいは、東京で意外な人物たちとの同居を開始していて!?
女流名跡リーグ遂に決着!
挑戦権を手にするのは、あいか、万智か、それとも……!?
美しき野心と矜持と恋心が正面から激突する第15巻!!


辛いです。万智さんが好きだから。
このシリーズにおいて読んでいて可愛く楽しい、所謂萌えキャラは姉弟子こと銀子が一番だと思っているのだけど、女性的な魅力、いい女度で測れば断トツ一位は供御飯万智、彼女しか考えられない。(個人的な見解です)
そんな万智さんが今回主役を張り、、、クズ竜師弟にフルボッコにされていた。
師弟揃って上げてから落として万智に大ダメージを与える悪魔のような所業。特に散々思わせぶりな態度を取ってからこっぴどく振った師匠の方は万死に値する。やっぱこいつ魔王だわ。こいつを八一くんと呼んでいる時の万智が最も可愛いっていうのがね。GJだ主人公、ちくしょう!
そんな酷い目にあってもめげずに次のチャンスを虎視眈々と狙うタフさ、やっぱりいい女だなあ。
その万智と並んでこの巻のもう一人の主役だったのがたまよんこと鹿路庭珠代。
計算高く女を武器にして裏表の差が激しい女流棋士というイメージの彼女の意外な一面が沢山見られる。
周囲には自分本位と思わせながら、人一倍周りに気を配り自分を殺しながら他人の為に動く気高さ。突然自分の生活内に飛び込んできた他所の弟子あいを文句を言いながらも突き放せない優しさ。普段からこっちを外に出しておけばと思わずにはいられない。あと驚いたのが女子大生だったこと。桂香さんと同じくらいだと思ってたわ、すまん。
一度どん底に堕とされた清滝一門の事態を好転に向かわせつつ、サブキャラを掘り下げる巻だった。将棋というか勝負の世界の話は薄めでいつもの熱さはなかったけれど、初恋を大事に育んでいた一途な女の子の物語でラブコメ好きとしては大満足。