いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 朝食フェスと決意のグヤーシュ」友井羊(宝島社文庫)

朝食フェスの運営に携わることになった理恵は、優れた推理力をもつスープ屋しずくのシェフ・麻野とともに、様々なトラブルに立ち向かう。人気パン屋が急に出店を迷いだした理由とは? いわくつきの調理器具を使った人気ブロガーは、なぜ体調を崩したのか。そして麻野の娘・露が冤罪で追い詰められ……。理恵たちは無事にフェスを開催することができるのか? 人気シリーズ第7弾!


やっと戻ってきたいつものスタイル。原点回帰なスープ屋しずくの謎解き朝ごはんシリーズ第7弾。
朝、理恵がスープ屋しずくに来て麻野や露に挨拶し、スープを楽しむ。身近で問題が起きた時に麻野に相談する。
前回がコロナを出さずにコロナ禍の仕事形態・ライフスタイルを表現した変則的な回。その前が子ども食堂。2巻続けてスープ屋しずくでの朝食が少ない話だったので、朝の風景が当たり前にあるのがそれだけで嬉しい。出て来るスープはいつもどおりどれも美味しそうだけど、食べる環境が整っていると尚更美味しそうに感じる。
そのスープたちの中で気になったのは秋刀魚のポタージュ。ポタージュなのに青魚? 材料は普通なのにまるで味が想像できない。
美味しそうだったのはヤーコン入り豚汁。ヤーコンは変な癖がないから味噌汁にも良さそう。ファーマーズマーケットでたまーに置いてあるのしか見たことないけど。
日常の謎の方は「化学反応のいたずら」特集といったところ。
これまでも思わぬ化学反応が問題を起こす話はいくつか出てきたが、今回はその手の話が三話も。スープの成分の説明もいつも化学的で、理系色が強いのもこのシリーズの好きなところ。
さて、ここ最近のこのシリーズの主題(?)二人の関係は、


以下、ネタバレ


くー、そこまでか。引っ張るなあ。確かに決意はしましたね。最後の最後に。
とっても思わせぶりなサブタイトルだったので、ついに告白まで行くのかと期待に胸を膨らませていたのだが。露ちゃんはもう完全にウェルカム状態なのに大人たちときたら。
でもなー、あの理恵さんだから忙しくて機を逸して、想いを告げるのに丸一冊くらいかかりそうな気がする。