いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん2」燦々SUN(角川スニーカー文庫)

「す、好き? 好きって、え? 違うのよ。ちがうぅぅぅ~!」
「なぁ~にが『支える』だよ。あ゛ぁ~俺マジでキモイ痛い!」
黄昏時の校庭での密事。互いに煩悶するアーリャと政近であったが、二人はコンビを組んで会長選を戦い抜くことを約束する。
圧倒的なカリスマを誇る次期会長候補筆頭・周防有希との対決に向け、アーリャと政近は対策会議をはじめるのだが――
「さて・・・・・・じゃあ、会長選の話だが」「・・・・・・Круто」(ぬぐぅっ!)ロシア語の甘い囁きにドキマギしてしまって!?
罵倒してきたかと思えばデレてくる、美少女ロシアンJKとのニヤニヤ必至な青春ラブコメディ第2弾!


ファンタジー生徒会でイカサマ麻雀をしていた。何を言っているかわからねーと思うがなんとかかんとか

ブコメの生徒会は何故こうもファンタジーな存在なのか、何故こうも登場率が高いのか。大半は学園生活で生徒会と関わることなんてほとんどないと思うのだけど。学園ラブコメで生徒会がやたらと幅を利かせるようになっているのは、やっぱり『俺ガイル』からの流れなんだろうか。それとももっと前の『ハルヒ』とそれ以降に一時流行った変な部活ものの「敵としての生徒会」がルーツなんだろうか。アラフォー世代からすると変な部活VS強い生徒会のルーツは『究極超人あ~る』だけどね。
あと、気になるのはなろうラブコメの上級階級率の高さ。憧れなのかお金の問題がその設定だけで解決するから便利なのかは知らないが、高確率で片方かもしくは両方が名家かお金持ち。しっかり作り込まないと粗が出るだけだからあまりいい手だとは思わないのだが。ちなみになろう異世界ものは途中から貴族の話になりがち。そしてグダる。
……などと、内容と関係ない考察ばかりしてるのはイマイチ話に乗りきれなかったから。
生徒会の話がメインになった内容に戸惑っているのと、周りのキャラが濃くて肝心のアーリャの影が薄くなっているのがどうもね。
二人でいる時にずっと政近を意識し続けるアーリャは間違いなく可愛いのだけど、アニオタ有能妹にギャップ萌えの権化姉マリヤが出て来ると途端に存在感がなくなる。さらに会長の武闘派彼女で残念な子枠、現代の忍を地でいく有希の従者で無口枠、つっかかってきたご令嬢が真面目な優等生枠と、新キャラにアーニャと似た属性を持たせていて、わざとアーリャの存在感を薄くしているような気さえする。キャラ被りはラブコメ的には愚策だと思うのだが、何か意図があるキャラ配置なんだろうか?
とりあえず今回はアーニャの可愛さを楽しみ切れなかったので、次はアーリャが目立つ話だといいなあ。