いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ここでは猫の言葉で話せ」昏式龍也(ガガガ文庫)

寒い国からやってきた小さな転校生アーニャことアンナ・グラツカヤには、誰も知らない二つの秘密があった。一つは、ロシアの犯罪組織に属した殺人マシーンであったこと。もう一つは、猫アレルギーの猫嫌いなのに、その猫をモフらなければ自分が死ぬ……という、他人から見れば謎だが本人だけは必死な使命を帯びていること。猫好きの同級生・小花や謎多き年上の女・明良たちに囲まれた、平和で少し奇妙な毎日の中、ひたすら猫を追いかけるアーニャのインポッシブルなミッションは始まった! 猫が導く少女達の出会いと喧騒――コミカルでデンジャラスな新感覚ガールミーツガール開幕!


猫、元暗殺者、銀髪美少女、百合。自分の好きなものを詰め込みました!な作品。
ネコカフェに行った次の週には殺伐とした殺し合いしていて、その直後に小学生の誕生日を祝うという、ストーリーなんてクソくらえの姿勢が潔い。
この手の作品は作者と趣味が合うかどうかが楽しめるかどうかの分かれ目なのだが、、、
パーツとしては好きなものが揃っているのにコレジャナイ感が強い。
殺伐とした世界で生きてきた凄腕エージェントを平和な日常に放り込む設定は、コメディに使ってこそ生きると思うのだけど、そのままシリアスに使っていることが多くてモヤモヤする。不幸・不遇設定は笑い飛ばさないと話が重くなるから好きじゃない。それを抜きにしても、元の仕事をさせるのはなんか違う。
百合の程度も、ぽやぽや同級生に恋心ともつかない温かくて切ない好意を抱くところは良かったのだが、途中でガチの人が横からインターセプトしてきてドン引きしてしまった。
この作者と酒を飲んだら、初めは趣味が似ていて意気投合するけど、その内細かいところで意見が合わなくなって険悪な空気になりそう。オタクだからね、仕方ないね。
まあ要するに合いませんでした。