いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「機械音痴な幼馴染が我が家でリモート授業を受けているのは、ここだけの秘密。」秋月月日(富士見ファンタジア文庫)

「私、友達とか、いない……だから、頼れるのは、重音だけ」
全国どこからでも受けられるオンライン授業を導入した高校に通う文月重音(ふみつき かさね)は、高校入学と共に疎遠気味になっていた幼馴染の常坂枝折(ときさか しおり)からのお願いで、一緒に自宅でリモート学生生活を始めることに。最初は二人で授業を受けるだけ、だったのに――気付けば、放課後は一緒にゲームをしたり、お菓子を食べて映画を観たり「……まだ、帰りたくないな。このまま泊まっちゃ、ダメかな?」ついには、禁断のお泊まりまで……!?
画面の向こうのクラスメイトや先生は知らない、二人きりの秘密授業。新感覚のあま~い在宅ラブコメディ開幕!!


高校に入ってから疎遠になってしまった幼馴染み同士が、学校で試験的に始まったリモート授業を機に距離を縮めていく物語。自分を卑下しがちな鈍感主人公と、引っ込み思案で主人公以外とはまともに喋れないヒロインのラブコメディ。
幼馴染みヒロインは良かった。
口下手ながらも押しの一手でグイグイくる様子に一途さと一生懸命さが感じられるのと、それが空回るポンコツさが合わさって大変可愛らしい。
ただ、主人公がね。。。
初めのうちは流されやすい鈍感主人公として苦笑交じりなら読める範囲だったのだが、中盤以降は悪い面がエスカレート。卑屈が過ぎるのとあまりの主体性のなさに読んでいてストレスが溜まる。
最後にヒロインを遠ざけた理由が語られるのだが、それまでの行動とあまりに乖離していて最早理解不能。劣等感を感じるのは勝手だけど、じゃあその前まで普通に受け入れていた行動は何だったんだよ。
この主人公はないわ。ヒロインの可愛さのプラス分を大きく上回るマイナス。自分にはこの主人公でラブコメを楽しむのはちょっと無理。