いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ひだまりで彼女はたまに笑う。2」高橋徹(電撃文庫)

楓がなくした猫のストラップをいっしょに見つけたことをきっかけに、ふとした仕草やふいに自分に向けてくれる笑顔から楓と仲良くなれたと実感する伊織。
パパラッチと呼ばれ避けられていた頃からの進展に自信を持ち、もっと楓の笑顔を見たい、あわよくば恋仲になりたい、伊織はそんな思いを募らせる。ふたりの関係を進める第一歩として、名前で呼ぶことを目標にするのだが――
「……楓さん」
「みゃー?」
「お兄、コタロー相手に練習しなくても……」
少しずつ表情豊かになってきた少女と過ごす、淡くて甘い夏が今、始まる。


お調子者男子・伊織とと笑わない銀髪美少女・楓のラブコメディ、第二弾。

初(うい)のう愛いのう
と、思わずおじいさんに口調になってしまいそうなくらい、ピュアピュアで微笑ましい恋の始まりを堪能させてもらった。
伊織が「名前で呼び合いたい」と願い、それを達成するために暴走を友人たちに止められながらも頑張る、ただそれだけの話だったのに、どうしてこうもキュンキュンニマニマしてしまうのか。
それに幕間の楓視点がそれに輪をかけて初心で尊い。相手のことが気になって仕方がないこの気持ちは何だろう、くらいの時期ってラブコメの一番美味しいところじゃないだろうか。
まあ、あまりにピュア過ぎて君ら本当に高校生?と思わなくもないけれど。
仲良し四人組の中で一人成熟している小野寺くんが三人を見守る保護者のポディションになっていることに苦笑い。というか、いつから四人組に? 物語開始時から出来てる仲良し四人組はよくあるが、途中から仲良し四人組になるパターンは珍しいかも。
ともかく、心が洗われるようなラブコメだった。ちゃんと両想いになるところまで行って欲しいなあ。四人組のもう一組の恋模様が描かれたのは、フラグというかメインの二人の為に先に道を作ってくれたんだと思ってる。

ちなみに佐久間家の愛猫コタロー様は妹ちゃんとセットで今回も大変あざとお可愛らしいご様子でございました。楓さん家の愛犬もだけど、動物たちを可愛く書くのが本当に上手い作家さんだなと。