いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5.5」佐伯さん(GA文庫)

自堕落な一人暮らし生活を送る高校生の藤宮周と、“天使様”とあだ名される学校一の美少女、椎名真昼。
関わるはずのなかった隣人同士、ふとしたきっかけから、いつしか食事をともにするようになっていた。
ぶっきらぼうななかに、細やかな気遣いを見せる周と、よそ行きの仮面でない、自然な笑みを浮かべられるようになった真昼。
惹かれ合っていく二人の過去といま、そして彼らを取り巻く折々を描く書き下ろし短編集。
これは、甘くて焦れったい、恋の物語――。

自分としては大変珍しく特装版を購入。キーホルダーやタペストリーには興味ないけど、SS冊子はほしい。


4巻まで(付き合いだす前まで)の期間で、語られなかったエピソードが補完されるシリーズ初の短編集。
いつもは周視点で進む物語だが、短編集には真昼視点に親友カップルの千歳視点と樹視点もあり。普段はうかがい知れない周に関わる彼らの内心が語られる。
一話一話が短いので、各話ではなく各視点ごとにちょっとした感想を。



周視点
この短編集、好きを意識する前から付き合う直前までと期間に幅があるのだが、こうやって全体的に見ると改めて思う。タイトルに反して付き合いが長くなればなるほど、真人間になってるな、と。ズボラで自己管理が全く出来ていなかった周が、掃除に料理に運動にと規則正しく、やる気に満ちていく様子がよくわかる。
まあ、真昼が居ないと駄目という点では駄目人間なんだけどね。


真昼視点
思った以上にベタ惚れだった。
思った以上にベタ甘だった。
好きになった人に対して一途で一生懸命な姿が愛おしい。
周くん身悶え案件、半分以上は狙ってやってたんだなあ。攻め攻めでニヤニヤ。天然炸裂の時の方が破壊力があるみたいだけど。寝ぼけふにゃふにゃ真昼さんの攻撃力は脅威。
今巻のベストショットは、お団子でジュースをどうぞな真昼さん(37頁)


千歳視点
お姉さん視点というかお母さん視点というか。
真昼に対して「可愛いなあ」と一緒に「やれやれ」も結構な割合で含まれていた。もちろん悪意があるとは一切思っていないけど、もっと初心な真昼で遊んで楽しんでいるんだと思っていた。
樹との馴れ初めは運動会他で出てきたので知っていたけど、樹が真面目眼鏡くんだったのは意外。


樹視点
思った以上にベタ惚れだった。周に。
親友にも天使様にも噛みつく覚悟の忠犬ムーブ。周のこと好きすぎだろw 
ついに語られた周との出会いの話。
樹・父との出会いが語られることはあるのだろうか。


小冊子
1~5巻の店舗特典SS集。
真昼視点多めで本編(5.5巻)より時系列がはっきりしているので、ベタ惚れ具合が段々増していくのがわかるのが良い。後半になると増えていく「そういうところ」。もはや真昼さんの口癖になりつつあるこの言葉が、照れてる頻度の高さを物語っていて顔のニヤケが抑えられない。
イチオシは「可愛いのはどちら」。一二を争う短さだけど、周くんの可愛さ全振りの一話。是非ともニッコリ真昼さんによる撮影風景がみたい。