いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「変人のサラダボウル2」平坂読(ガガガ文庫)

異世界の姫サラと女騎士リヴィアが岐阜に転移してきて早一ヶ月。探偵の仕事を通じて友達や知り合いも増え、楽しい毎日を送るサラ。惣助はそんなサラを学校に通わせられないかと、弁護士のブレンダに相談するのだが……。一方、相変わらずホームレス生活を送るリヴィアも、宗教家の皆神望愛やキャバ嬢のプリケツ、チンピラのタケオなど怪しげな人々と再会してしまうのだった。本格的にカオスになっていく人間模様の先に、果たして何が待つのか――。
平坂読×カントクが放つ、予測不能の群像喜劇第2弾、面白さ全振りで登場!


ギフ娘wwwwwこらっwwwww
という口絵のおふざけはとりあえず置いといて、
異世界の姫と女騎士が現代日本の岐阜で生活するコメディ第二弾。
片やバッタの素揚げ、片やおこたでお鍋。現実味のないドタバタコメディと地に足の着いたほのぼのホームコメディが同居する、タイトルに相応しいカオスな内容だった。
1巻は貧乏探偵惣助と姫・サラの話が多かったが、2巻は女騎士・リヴィア視点が多めとあって、ドタバタ度が大幅アップ。
ホームレス→転売ヤー(下っ端)→カルト教団のアドバイザー→ヒモ→ギタリスト。これ、今回のリヴィアさんの職業?遍歴である。……なんだこれ?w 
一歩間違えば一大事でお通夜な空気になりそうな綱渡りな生活をしているのに、変な風に上手くいかせて、絶妙に笑えるレベルに落とし込む。その塩梅が最早天才的。こんなんもう笑うしかないじゃん。
一方、現代日本にも惣助との共同生活にもすっかり馴染んでまったりな日常を送っているサラ様。このギャップよ。
何の違和感もなく親子みたいだと思っていたら、まさか現実になるとは。子供になるかの問いに対するサラの答え方がズルいわ。こんな話なのに感動しちまう。
いっぱい笑ってちょっとしんみり。今回も面白かった。オチに使われた(本作では比較的)常識人さんに「ご愁傷さまです」の言葉を送りつつ、次回を首を長くして待つ。
次回、元セクキャバ嬢と元ホームレスとカルト教団の教祖のバンドが猛威を振るう!といいな。