いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん4」燦々SUN(角川スニーカー文庫)

終業式の後、晴れて名前で呼び合う間柄となった政近とアーリャさん。気恥ずかしさから互いに煮え切らない態度で悶々とした時間を過ごす中、遂に待ちに待った統也主催による生徒会合宿がはじまった! 豪華絢爛な別荘宅とプライベートビーチ、夏祭りに花火と輝ける青春謳歌する生徒会メンバー達。
リゾート地でのロマンチックなシチュエーションと非日常感に高揚したアーリャさんは挑発的な笑みを浮かべていて――。
「それで? 政近君は、どこにキスしてくれるのかしら?」
悶絶しそうになるほど刺激的な駆け引きを仕掛けてきて!?
ロシアンJKとの青春ラブコメ、ちょっぴり過激な夏休み編!


妹+αとの遊園地デート、アーリャとのお家(宿題)デート、生徒会合宿という名の夏の旅行と夏のイベント目白押しな夏休み編。生徒会選挙や政近とアーリャの仲などストーリーの進展はほぼなく、短編集的なノリで各イベントを楽しみつつ、その合間に政近の過去が語られ=主人公のキャラクターの掘り下げが少し入る、そんな巻。
相変わらずこの兄妹の漫才は楽しい。
今回はオープニングからアクセルフルスロットルでぶっ飛ばしていて、オタクギャグ&オヤジギャグがキレキレ。合宿に行ったら周りに人がいるから控えるかを思ったら隙あらば絡む!な姿勢で、後半までやりたい放題。有希さんGJ!
一方アーリャは、怒りそうな場面で怒らなかったり、皆がいるのに一人でやったことのない釣りをし出したり、らしくない動きが多くて困惑。
特に第3話は正直意味不明。ベッドに違う女の髪の毛があってプロレスごっこしてたなんて言い訳されたら、アーリャじゃなくてもビンタして家を飛び出して好感度激減のイベントじゃないのか? しかもその後のランジェリーショップでダメ押しのはずなのに、そっちはまともに反応が書かれていないし。第3話だけ別人が書いたんじゃないかというくらい強烈な違和感がある。
そんな微妙だったアーリャを尻目に存在感を示したのが姉・マリヤ。
ラッキースケベなイベント×2はどちらも可愛く、上級生らしいお姉さんな面でギャップを見せ、良ヒロインぶりをアピール。しかも過去の大切なエピソードで妹におおきなアドバンテージが。次回はそのエピソードから始まるみたいだし、マリヤをメインヒロインに据える気なのでは?と思ってしまうくらい。
いつもより軽いノリで読みやすく、大幅増量な兄妹漫才は面白く、全体としては悪くなかったが、アーリャの可愛さを楽しむ話としてはかなり物足りなかった。