いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!16」白鳥士郎(GA文庫)

「名人になったら結婚してください」
A級棋士となった神鍋歩夢、まさかの公開プロポーズ!? その場に居合わせた八一たちは、友人として協力することに……。
一方、あいはいよいよ初タイトル戦に臨む。相手は女流棋界の伝説、釈迦堂里奈女流名跡
「さあ――始めよう。雛鶴あい」
激闘の中で明かされる釈迦堂の過去と、将棋界の裏面史。
釈迦堂と歩夢。そして八一とあい。
すれ違いを続ける二組の師弟は再び出会うことができるのか ! ?
「この山を……頂きを、超える !! 」
少女の決意が世界を変える。
天辺目指して突き進む熱血将棋ラノベ、熱さ全盛の第16巻!


あいちゃんは犠牲になったのだ。大人の恋と次の展開…その犠牲にな。
あい、初めてのタイトル戦。
内弟子(同居)の解消、関東への移籍。袂を分かった師弟の絆と、その決断をした少女の覚悟のほどが試される。……という、当初予想していた内容もあるにはあったが、メインが全く別の所にあった。
それはあいの対戦相手、釈迦堂里奈女流名跡
男社会の将棋界の中で、女性の将棋指しをたった一人で守ってきた女傑の半生と恋路が語られる。
かつて《殺し屋》と呼ばれた冷徹かつ狡猾な勝負師の顔から、老いてなお少女のような可愛らしい顔まで。釈迦堂の心の内が明らかになるにつれて、あいとのタイトル戦に一つ一つ想いが重なっていく展開が熱い。脇役の、それも若者たちのサポート役と思っていたサブキャラでも、熱くしてくれるのは流石の一言。しかし、あの髭親父。ここ数巻で株上げすぎじゃないですかね?w
ただ、あいが可哀想。
苦難の先が更なる茨の道への第一歩なのは本人の望むところだろうが、役割としては引き立て役で、愛しの師匠には結局会えず仕舞い。不退転の決意で頑張った小学生の女の子にする仕打ちじゃないだろう。終いの美味しいところは妹弟子に持ってかれるし。
次回はその天衣がメインの話になりそう。そういえばダブルタイトル戦の結果はどこにも書いてないな。
人間には勝てない将棋ソフトから、人間では太刀打ちできない将棋ソフトへ。その過渡期に生まれた作品だからこそできるチャレンジングな内容になりそうで楽しみ。


で、姉弟子はいつ出るの?(´;ω;`)ブワッ