いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「負けヒロインが多すぎる!3」雨森たきび(ガガガ文庫)

10月、俺たち1年にとって初めての学園祭――ツワブキ祭が近づいていた。
3年生はここで引退し、残された俺たちが部を引き継ぐ。文芸部の展示や部誌、クラスの出し物もあって準備に追われるなか、次期部長に指名された小鞠の様子はどこかおかしくて……? 生徒会メンバーや姫宮華恋にまで絡まれて、気ままな背景キャラだった俺の高校生活はどうなってしまうのか――。あ、八奈見は今日も元気です。モリモリ食べてます。なんか安心するな。
大人気負け確ラブコメ、第3弾。――それは、感謝とさよならのラブレター。


文化祭編。コミュ障であがり症な小鞠の回。
玉砕した先輩・慎太郎への想いをまだ抱えつつ、恩人である文芸部の二人の先輩に新部長としてしっかりやれることを見せようと頑張り過ぎてしまう小鞠と、それをフォローするべく奔走する温水の様子が描かれる。
学園ラブコメ定番イベント文化祭。これまで数多の文化祭を読んできたが、その中でも五指に入るくらい青春を感じる話だった。
2巻は失恋少女檸檬の為に温水一人が頑張る、彼自身の友達がいをみせる話だったが、今回は感化された周りも一緒になって動く、より強く友情を感じる話になっていた。
初めから小鞠を気に掛けていた先輩二人や同じ文芸部の檸檬だけでなく、前回は食ってただけだった八奈見も、部外者の友人カップルや兄ラブ妹まで一緒になって出し物を完成させていく様子が、まさに青春の一ページって感じでニマニマしてしまう。小鞠の愛され具合もあるが、温水の“徳”というか、彼のいい奴さが周りに認められたような気がして、とてもいい気分。
ところでカロリークイーン八奈見さんはというと、今回はそこそこ働いたのもあるのか、摂取カロリーは明らかに上がっている模様。というか、出て来る時は何かしら摘まんでいる。流石です。あれだけ間食していて体重が2kgも減るって彼女の基礎代謝はどうなっているんだ?(驚愕) 奴はアメ車か?
さて、ヒロイン的には一回りしたわけだけど次の展開はどうなる? そろそろ温水くんには当事者になって欲しいような、そうすると別作品になってしまうような複雑な気分。

あとがき後エピソードは負けヒロインの末路ですね、わかります(泣)