長きに渡って繰り広げられた死闘が、ここに決着を迎える。
「今からボクが、キミの”余計”を削ぎ落としてあげる」
全てを捨てた《剣の姫》と、捨てなかったリィエルの結末。
「貴方、まさか…殺したの……? アレは貴方の… !?」
パウエルの悪魔の所業に、アルベルトの頬をつたう一閃の跡。
「できるかどうかじゃない! やるのよ! 私はイグナイトだ!」
最強の魔術師・エレノアの闇を振り払う、最高の炎の輝き。
そして、彼らは帰還する。勝利を担う最後の鍵、希望を載せた一陣の風、すべての絶望を撃ち抜く光とともに。
フェジテを巡る戦いの舞台は衝撃のクライマックスへ――!
フェジテ最終決戦の続き。天の智慧研究会の三強と相対するリィエル、アルベルト、イヴの三つの死闘を描く第21巻。
ピンチ、絶望からの覚醒、そして撃破へ。言ってしまえばどれも予定調和。でも熱い。王道中の王道を全力で書ききった、そんな一冊だった。
最強の剣を掛けて戦うリィエル、姉の仇であり自分の人生を狂わせた師と対するアルベルト、フェジテを守るために最凶と戦うイヴと、それぞれの想いが丁寧に描かれてるのと、リィエルと対するエリエーテ、イヴと対するエレノアの悲しく壮絶な過去が語られるので、単純な正義と悪の戦いではなく想いと想いのぶつかり合いになっているのが熱い。パウエルは、、、まあ勧善懲悪も必要だよね。
中でも良かったのはリィエルの戦い。クラスメイト達の優しさと彼らを守るために再び立ち上がるリィエル。お人形だったリィエルが真の人間になった瞬間のように感じられて、個人的には今回最も胸の熱くなるシーンだった。そして、その場を繋ぐフォーゼル教授。グレン不在の今回、最も格好良かったのは普段はコメディ担当の彼。
三つの戦いの決着が付き、真打登場で次回へ。
ラスボスがオモチャを取りあげられた子供みたいになってるけど大丈夫?と思っていたら、えええええぇぇぇぇ―――――!?
まさかの敵方も真打登場。ですよね、アタフタしてる奴にラスボスなんて務まりませんよね。それに、ラスボスはこの人以外いませんよね。でもこの登場タイミングはズルい。