いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった4」雪仁(電撃文庫)

「俺が作った料理を幸せそうに食べてもらえるの、好きだなって思ったんで」
一人暮らしの高校生、夏臣は留学生で隣室に住む少女、ユイに合鍵を渡して正式な交際を始めていた。季節も秋が過ぎ冬へと向かうころ、進路決定のため、将来はどんなことをしたいのか考える二人。
夏臣の母親の急な来訪や、クリスマスのデートを経験して、ユイと過ごす日々が当たり前だけどかけがえのないものだと実感した夏臣は、ある決意を口にする。
そんな時、ユイの姉ソフィアが再び来日して、ユイと一緒にモデルの仕事をすると言い出して――
夏臣たちの親友、慶と湊の関係も進展!? 甘い日々が未来へと進む、第4巻!


合鍵を渡した後のエピローグ的な最終巻。季節を巡りながら二人の高校卒業までが綴られる。
予想通り、期待通りのイチャラブだった。甘かった。幸せが詰まってた。このシリーズはイチャイチャに至るまでの過程がしっかりしているから、ニヤニヤと共に我が事のように喜べるのが良いところ。
キスとかスキンシップとかそういう方面で、暴走するのがユイで夏臣がブレーキ役だったのが、意外で面白かった。乙女がしちゃいけない顔のユイの挿絵がないのが残念だw
好きなエピソードは、付き合ってるのがクラスメイトにバレてた話。普段からピンクオーラ出してる上に、生活圏内のスーパーで買い物デートしてたり、ファストフードデートしてたらそりゃあバレますわ。いつでもどこでも二人の世界だったんだね。
あと、忘れちゃいけないのが二人を後押ししてくれた二人の親友のその後。色々と二人の世話を焼いてくれた湊ちゃんが幸せを掴んでくれたのが素直に嬉しい。慶くんの方は……お世話になった記憶があんまりない←
ちなみに、キャラクターとして一番目立っていたのが、夏臣のはっちゃけ母親だったというオチ。お母様自重して!

出会って、いいところを見つけて、好きになって、恋心を育んで、結ばれる。ラブストーリーとして当然の手順を、余分な要素や横槍を入れずに、二人の心境の変化に絞って丁寧に紡いでいってくれた物語。近頃は過程をすっ飛ばして、主人公とヒロインが初めからイチャイチャしているラブコメが多い中、結果じゃなくて過程の方が大事で過程の方が面白いと再認識させてくれる、やっぱり青春ラブコメっていいな、と思わせてくれる作品だった。
次回作も期待しています。