いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア13」大森藤ノ(GA文庫)

語り継がれることのない破壊者の争乱、『狂乱の戦譚』の幕が閉じ、日常を取り戻しつつある迷宮都市。そんな中、喪失を経たレフィーヤは過去の自分と決別し、新たな力を求める。
千の妖精が志すのは、『魔法剣士』。
急激な成長、たゆまぬ研鑽の末の覚醒、誰よりも生き急ぐ少女に白き同胞の面影が重なり、アイズたちの心配が募る中、『その時』は訪れる。
「学区が帰ってきたぞぉぉぉ!!」
懐かしき学び舎にして、もう一つの故郷の帰港が、新たな始まりを告げる!
これは、もう一つの眷族の物語、――【剣姫の神聖譚】――


実に3年半ぶり、お久しぶりな外伝ソード・オラトリア13巻。人造迷宮クノッソスを巡る事件で大切な同胞を失い、心に穴が開いたレフィーヤの崩壊と再生を描く、レフィーヤの為の物語。
大切な人の喪失で、ブレーキが壊れアイデンティティも壊しそうなレフィーヤが、神ロキに命じられたのは学生たちの教導者(インストラクター)
教わる立場から教える立場になることで、自分が教わってきたことを思い返し自らを省みて、出来ない人の視点に立って、生徒に色々なことを気付かされる/教えられる。行き詰っている人を立ち直らせる手段としてありきたりな手法ではあるけれど、それを書き切ることで感動を生む。どこまでも王道を行くこのシリーズらしい、熱くいい話だった。それと、いつもちゃらんぽらんなロキもちゃんと神としての役割を果たしているんだなって。
と、内容は間違いなくいい話だと思うのだけど、、、これ【剣姫の神聖譚(ソード・オラトリア)】なんですよね? ソード? レフィーヤが使い始めた形見の短剣がソードと言えなくはなけれど。
ロキ・ファミリアをメインとする外伝でもアイズの活躍がないなんてorz
本編18巻でファミリアの他のメンバーは手伝いをしている中、契約で仕方がないとはいえ一人蚊帳の外だと思ったら、今度は自暴自棄でグレちゃったレフィーヤを見て茫然自失になっているだけだったアイズ。最近のアイズの扱いが酷くて泣きたい。
あと、本編との繋がりとしては、
今度こそ外伝が本編を抜き去った模様。その分、本編19巻が学区編と予告されていて、その“学区とは何ぞや?”が予習できる内容になっている。作者が本編のネタバレを気にしていたが、ベルくんがまたまた女の子引っ掛けることは、シリーズ通しての読者は100%分かりきっていることなのでネタバレにはならないですw ただ、19巻でもアイズの活躍がないことはほぼ確定でしてしまったのは……;;