マケインの神髄はショートストーリーにあり――。
膨大なボリュームの特典SS、フェアSS、のんほいコラボSSなど40篇以上を収録!
さらには彼女たちの誕生日など、詳細プロフィールも……?
マケインを語る上で欠かせない、負けヒロインたちの幕間ショートショート短編集!
アニメも始まった負けヒロインたちが悲哀と笑いを誘う青春ラブコメ、初めての短編集。
笑いと食い気特化のマケインだった。
長編ではラストは「いい話」「温水はいい奴」で爽やかに、青春成分多めで終わるエンドが多いのだけど、短編掌編では負けヒロインたちの残念な面が強調されて描かれるので、面白が濃縮されていた。
負けヒロインの負けヒロインたる所以というか、これだから振られたんだろうなあというイメージを、ストレートな言葉にしないで、言動で間接的に印象付ける表現が相変わらずうまい。特に八奈見と檸檬。小鞠はそれほどでもないけど。八奈見と檸檬がお互いを慰め合うつもりなのに傷をえぐり合ってしまう『乙女会議のB to E』なんかは涙なくしては読めない。
それと、どうしても目立つのがカロリークイーン八奈見さん。
これには温水の責任も多分にあるのが分かった。結構な頻度で部室にお菓子持ち込んでいるもの。それにしても彼女はこの一冊で何万キロカロリー摂取したんだろうか……
あとは書店の購入特典SSがメインということで、書店が舞台の話が多いのも一つの特徴。
真面目な文芸部員(当部比)の温水と小鞠によるオタク特有の書店あるあるが面白かった。
ラブコメは基本的に短編との相性がいいけれど、その中でも短編との親和性が高い作品だった。