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ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン XIV ―インビテーション・フロム・ビービー―」時雨沢恵一(電撃文庫)

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXIV ―インビテーション・フロム・ビービー― (電撃文庫)

『私の主催するミニゲームに参加して、最後まで進みなさい』――SJ5の死闘の翌日、謎のプレイヤー・ビービーから届いたミニゲームへの挑戦状。それは、デヴィッドの告白に対してのビービーからの招待状でもあり、ご褒美はリアルビービーとのオフ会――。レン、フカ次郎、ピトフーイ、エム、SHINCとMMTMはデヴィッドの恋の成就のため(!?)そのミニゲームに参加することに!
GGOの豪華キャスト勢ぞろいで繰り広げられる超個性的なゲームと、デヴィッドの恋の結末とは――!? そして、ビービーの正体とは――!?


時はSJ5(13巻)翌日。LPFMとSHINCのお疲れ様会兼反省会に乱入したライバルチームMMTMのリーダー・デヴィットの依頼で、敵チーム・ZEMAL(全日本マシンガンラバーズ)の女神・ビービーが主催するミニゲームに参加することに。攻略のご褒美はリアルビービーとのオフ会。ある人はデヴィット氏の恋を応援するため、ある人はビービーの正体を知るため、残りは面白半分で策略家ビービーの仕掛ける奇天烈で意地悪なミニゲームに挑む。
というわけで14巻は、大きな大会だったり人生に絡むような大事のない気楽な回。デヴィット氏の恋は掛かっているけど、彼惚れっぽいから、あんまり重みがねw
個人主催のミニゲームとあってそれはもう趣味に走りまくったゲームが開催されていた。
第一ゲームの舞台はミルフィーユ。
ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家ようなメルヘンな舞台と、武骨な銃のギャップが溜まらない……のか? ミルフィーユから顔を出すマシンガンを構えたマッチョはトラウマになりそう。
第二ゲームは氷上タイムトライアル。
道産子であるレンが躍動する圧倒的スピード感に、氷下の美しい景色、趣味に走りまくった敵エネミー。これは楽しい。3ゲームの中で最もアニメ化してほしいゲーム。氷上の高速ピンクは映えること間違いなし。
第三ゲームは蒸気機関車を外から攻撃から守る乱撃戦。
いつもはしぶとく生き残る主要メンバーたちが次々とマシンガンの餌食になって、サクッと落とされていくのが新鮮。やっぱマシンガンって強いんだな、運用を間違えなければ。
そんな感じでミニゲームが終わって、後はビービーの正体とデヴィット氏の恋の行方(負け確)を見届けるだけかと思っていたら……
ズルいわー。ドンパチを心置きなく楽しむお気楽な巻だと思っていたのに、最後にこんなにいい話を持ってくるんなんてズルいわー。
性別も世代も距離も関係なく友情を育める、オンラインゲームの醍醐味が詰まったエピローグに普通に感動させられてしまった。
上京してきた田舎者大学生と現役道産子と新体操部の高校生と歌手と三十路のおっさんが一堂に会して、ワイワイ会話しているのって一つの奇跡だよなあ。そこにこんな素敵な出会いが加わってしまったら、胸も熱くなりますよ。なんか将来が決まっちゃった人もいるし。
そしてこのあとがきである。これは川原先生へのプレッシャーですね。もっと言ってやってください。