もしも安達がわたしの先生だったら。
もしも安達が小説家だったら。
もしもあの時、体育館の二階に行かなかったら。
空想は置いておき、安達からお誘いが。
「う、海……は、広いね」
「いいよ。来週くらいに行こうか」
「来週、ですか……」
垂れ下がった耳と尻尾が見えるけど、こっちも色々準備が必要だ。お小遣いとか、水着とか。彼女に可愛いとこ見せたい気持ちはわたしだってあるのだ。……きゃー。
もしも二人の関係が先生と生徒だったら、女優と小説家だったら、高二になっても出会っていなかったら……。いろいろなもしもに加えて、正史(?)で付き合い始めてからの初めての夏休みの海の思い出を加えた、短編集的な12巻。
99.9巻とSSの時に一年くらいしたら出そうって言ったら本当にきっちり一年で出たよ。しかも12巻、ナンバリングタイトルだよ。びっくりで、とても嬉しいです。
『もしも安達さんが先生だったら』
内容:新卒二年目の新米教師安達と小一しまむら
ぅゎょぅι゙ょっょぃ。何事にも動じない強メンタルのしまむらさんが幼女になったらそりゃ強いわ。
それはともかく、安達がテンパってない! しまむらの言葉に冷静に対応する安達の姿がとても新鮮で頼もしい……ような気がしないでもない。逆に考えるとテンパらずに会話するには17年もの年の差が必要だとも言えるが。
12年後はその年の差があってもあわあわするんだろうなー。
『もしも安達さんが小説家だったら』
内容:映画化される小説家安達と主演女優しまむら
あ、いつもの安達さんだ。テンパっているのに逆に安心するというw
こちらのもしもは、いつもは受けのしまむらがグイグイ攻めてくるのが新鮮。
先生と呼ばれたい時(前話)は呼ばずに、先生と呼ばれたくない時はそう呼んでくるしまむら。天邪鬼さがしまむららしい。
『もしもしまむらさんがバックトゥザ』
内容:高二になっても体育館に行かないしまむら
もしも二人が出会わなければ……強制力が働くらしい。
水色髪宇宙人に合コンセッティングされちまっちゃーしょうがない。『安達としまむら』という一つの世界が消滅してしまっては困りますからな。
タイトルと役割から察するにヤシロは二人の子供の可能性が?(ないです)
『もしもすべてがいつもどおりだったら』
内容:付き合い始めた二人が夏の海へ
しまむらが普通の付き合いたてカップルみたいに、相手の喜ぶことをするのに一生懸命なのが尊い。そういうことするキャラじゃないのに。「なんだよ大好きかよー」とニヤニヤしてしまう。