いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「イマリさんは旅上戸」結城弘(GA文庫)

イマリさんは旅上戸 (GA文庫)

「その話、仕事に関係ある?」
バリキャリ美人・今里マイは、冷徹で完璧な女上司である。絶対的エースで超有能。欠点なしに見える彼女だったが……?
「よ~し、今から箱根に行くで!」
なんと彼女は、酒に酔うと突発的に旅に出る「旅上戸」だった! しかもイマリさんを連れ戻す係に指名されたのは何故か俺で!? 酔っぱらい女上司との面倒でメチャクチャな旅だと思ったのに――
「うちに、ひとりじめ、させて?」
何でそんなに可愛いんだよ! !
このヒロイン、あり? なし? 完璧美人OLイマリさんと送る恋(と緊張)でドキドキの酔いデレギャップラブコメディ!

GA文庫大賞 金賞+審査員特別賞 W受賞作


ゲームデバック会社を舞台にした酒×青春なラブコメディ。
ブラックで有名なゲーム業界。若者たちが仕事に追われながら、また現代人らしくそれぞれに問題を抱えながら日々を生き抜く物語。なんて書くと、シリアスで重い話を想像してしまうが、それをコメディにしているのがお酒。コミュニケーションの潤滑油として、人の本性を曝け出させるアイテムとして、やり過ぎない程度に上手く使われている。酒乱なドタバタコメディを軸にしつつ、ちゃんと三角関係ラブコメしていたり、抱えた問題に対するアプローチをするシリアスなシーンもあって、緩急のつけ方や面白と真面目の切り替えが上手い。
そんな本作最大の特徴はキャラクターの“癖”が強いこと。普段は堅物なバリキャリなのに酔った勢いで旅に出てしまうヒロイン・イマリさんを筆頭に、お酒に酔って曝け出される酒癖や性癖が変態チックなやつらばかり。やっぱアルコールって怖いわーw
ただ一人、未成年で飲んでいないので素面のまま性癖を垂れ流している輩もいるのだが。まあ主人公なんだけど。
この主人公の橋広くんの性癖(=たぶん作者の好み)が、びっくりするほど自分と合わなくてですね。同意できたのは女性のS字ラインの美しさくらいで、あとはことごとく好みが合わない。特にMの嗜好本当にはわかんないです。
そんなわけで、主人公と性癖が全く合わなくて時々読んでいてしんどい箇所はあったけれど、癖の強いキャラクターがところ狭し(日本狭しが正か?)と暴れまわり、ラブもコメディもシリアスもどれもが良質な作品だった。納得の金賞。