「全ての色彩を重ね合わせると、白になる。ぼくが目指すのは、全ての種族が共に暮らす『白き国』だ」。遙かな理想を追い求め、滅び行く王都を脱出した王族の生き残りたちは「白猫隊」を名乗り、タイタス原野のさらに東、獣人が跋扈する無名荒野を目指す。だが旅の途中で資金が尽き、なぜかサーカス団として稼ぐことに……。一方、ジャンジャックらは「魔王の塔」地下で古代の祭壇を発見するが、突如ルシファーが暴走をはじめ……。主人公不在、先読み不能、超大型ファンタジー群像劇第三弾!
再起のための力を蓄える為に、無法地帯の東の果てを目指すガガ一行。一方、ジャンジャックとルシファーはアルテミシアに連れられ「魔王の塔」へ。戦争は小休止。各陣営の状況や思惑が語られたり、キャラクターの掘り下げがメインのファンタジー群像劇第3巻。
残虐女王アルテミシアに全く似つかわしくない単語が付いた、正気を疑うような副題が付けられている(←失礼)今回だが、それよりも自称魔王のルシファーの魔王たる所以が発揮された事実の方がインパクトが強い。SFチックで尚且つ圧倒的な戦力に戦慄する。やっぱりこの娘がジョーカーだったんだ。
副題どおりアルテミシアのターンは長め。その生い立ちが語られ、ただの残虐非道なサド少女ではないことは分かったが、今更不幸な身の上語られてもというのが正直なところ。それまでの行いが悪すぎるし、甲斐甲斐しく世話しているジャンジャックへの言動も嗜虐的なままだし。Mな人達は喜びそうだけど。
むしろこれに絆されているジャンジャックが心配になる。主人公の一人というよりは最早チョロイン。一人で戦局を覆すジョーカーを持つ現状最大のキーパーソンがこの不安定さは怖い。これは先で相当荒れそうだ。
一方ガガ達一行は、最終章に戦力集めの様子が少しだけ描かれていたが、他はほぼほぼラブコメをしていた。
次からそんなことしている余裕はなくなるだろうから、今のうちに青春を謳歌してくれるのは大変結構。ノアもステラもガガも可愛いし。ただ、あんまり仲良くされると死亡フラグにしか見えないんだよなあ、作者的に。キャラクターを酷い目に合わせることに定評がある犬村先生だからなあ(苦笑)
次回は戦局が動き出すようで。若者たちにどんな試練が待っているのか、次回も楽しみ。
